送迎バスとは?空港送迎から従業員送迎まで幅広い利用シーンを徹底解説!

公共交通機関は駅やバス停の間を決まったダイヤで運行する乗り物ですが、駅やバス停から目的地までが遠い場合には、さらにそこからタクシーなどの交通手段が必要となります。そして目的地へのスムーズなアクセスのために利用されるのが「送迎バス」です。この記事では貸切バス手配サービスのバス旅ねっとが、送迎バスにはそもそもどういう種類があり、どんな時に利用されているのか、費用はどのぐらいでどのように手配すればよいのかなどを網羅的に解説します。

送迎バスとは?

みなさんは「送迎バス」と聞いて何を思い浮かべますか?ホテルや結婚式場の小さな送迎バス、空港送迎の大型シャトルバスなどは、普段目にすることが多く利用したことがある方も多いのではないでしょうか?これらを一括りに送迎バスと呼びますが、実は内容によって業務形態や法律が違うんです。送迎バスにどのような種類があるのか見てみましょう。

利用者自身が契約する送迎バス

運転手付きのバスは、法人だけでなく個人でもレンタルすることができ、貸切バスやチャーターバスと呼ばれています。貸切バスの中に送迎バスという厳密な区分はありませんが、送迎バスは主に出発地から目的地へ直行で向かう利用方法を指しているため、比較的近距離移動となります。冠婚葬祭参加の親族のために、自宅から式場までの送迎バスを自身で手配するというようなケースですね。貸切バスで借りることができる車両には、快適な装備が整った観光バスタイプの大型バス中型バスと、コンパクトな送迎バスタイプのマイクロバスがありますが、どちらも送迎目的に利用することは可能です。

大型バス中型バス小型バスマイクロバスミニバス
仕様観光バス観光バス観光バス送迎バス送迎バス
高速料金区分特大車大型車中型車中型車中型車
乗車人数53~60人27人21~25人20~27人7~13人
スーツケーツ30~40個15~20個5~15個0~10個3個
1日料金高いやや高い安い安い安い
1人料金かなり安いやや高い安い安い高い

公共のシャトルバスやリムジンバス

羽田空港のリムジンバス

目的地へ直行で向かうためのバスを送迎バスと呼ぶため、主要駅から空港や大型観光地までの区間を途中停車せずに定期運行する「シャトルバス」は、公共交通機関であっても送迎バスの1つと言えます。ちなみに「リムジンバス」とは、空港シャトルバスに付けられた路線名のため、シャトルバスの1種です。

施設が契約する送迎バス

送迎バスのピストン輸送

主要駅と目的地の間を定期運行するシャトルバスは、イベント送迎でもよく使われています。短い距離を15分おきなど何度も往復して送迎することは「ピストン輸送」と呼ばれ、限られた時間内に大量の人を輸送できます。また大型商業店舗やテーマパークといった施設が独自に運行するシャトルバスもあります。これら会社法人が契約する送迎バスは、個人利用と同じ貸切バス契約です。

施設が運転する自家用送迎バス

白ナンバーの送迎バス

施設が利用者向けに準備する送迎バスの中には、貸切バスを契約せず自家用車を利用するものもあります。業務用の緑ナンバー車両ではなく白ナンバー車両を使う、いわゆる白バスと呼ばれるものです。こちらは最寄り駅から施設までを無償で送迎するという範囲でのみ可能な方法で、ホテル送迎・式場送迎やゴルフ場送迎のクラブバスでよく用いられています。いくら無償で提供していても、新幹線停車駅からの長距離送迎や、周辺の観光地を周遊するなどは、白バスの範囲外となるため、貸切バスを契約している施設もあります。

学校や法人が契約する特定バス

特定旅客自動車運送事業のスクールバス

ホテルやゴルフ場の送迎バスは不特定多数の利用者を送迎するために使われていますが、学校のスクールバスや企業の従業員送迎など特定の利用者に向けて送迎バスを長期運行する場合は、特定バスとして契約をすることができます。この場合は一般貸切旅客自動車運送事業ではなく、特定旅客自動車運送事業の営業許可を得たバス社と契約できるため、国土交通省で定められている貸切バスの基準料金よりも安く利用することができますが、路線は届け出が必要で地域の乗合バスと競合しないかも確認されます。1年未満の期間限定の運行の場合は、通常の貸切バス契約で運行可能です。

送迎バスの運行パターンと料金相場

送迎バスには様々な目的と契約内容があることがわかったところで、貸切バスの契約で送迎バスを利用するする際に、どんな運行パターンがあるのかと料金相場についても見ていきましょう。

片道送迎

集合場所から目的地までの片道だけの送迎で、帰りはバスを利用しない場合が片道送迎です。タクシーの場合は実際に乗車している間だけの料金しかかかりませんが、貸切バスの場合は車両点検時間を含む車庫から出て戻るまでの間すべてに時間料金と距離料金が発生し、最低利用時間もあります。つまり乗客のいない車庫に戻るだけの帰り道(回送)も料金が発生するため、片道と往復はあまり料金が変わりません。とはいえバスに乗る人数が多いほど1人あたりの貸切バス料金はタクシーより安くなるので、団体であればあるほど貸切バスはお得です。

成田空港への片道送迎の料金相場

成田空港~東京23区内ホテル
片道70km(回送含め140km)/片道1時間30分(回送含め3時間)

移動方法料金相場乗車人数1人あたりの料金相場
大型バス約10~12万40人約2,500~3,000円
中型バス約8~10万20人約4,000~5,000円
マイクロバス約7~9万10人約7,000~9,000円
タクシー約3万4人約7,500円
リムジンバス空席分約3,000円

往復送迎

結婚式参加や研修参加など、現地で滞在した後で帰りもバスを利用する場合は往復送迎となります。貸切バスは走っていない時間も運転手は勤務状態にあるため、バス待機中も時間料金が発生します。現地滞在時間が数時間であればそのまま待機してもらった方がいいでしょう。その場合バスに対応した駐車場手配が必要です。
従業員送迎などの場合は、出勤のための朝便と退勤のための夜便は長時間空くので、一旦車庫に戻る2便運行の方が安く済みます。出発地から目的地が遠い場合や、工事現場などバスを休憩場所として使いたい場合などは、車庫に戻さず駐車場で待機させることもできます。

ピストン輸送

短距離で数百人単位の人を運びたい場合、貸切バスを複数台借りるよりも1~2台のバスを何度も往復させた方が安く済みます。ただし拘束時間が長くなり休息時間を確保できないタイムスケジュールの場合は、運転手1名のワンマン運行ではなく運転手2名体勢のツーマン運行となる場合もありますので、目的と予算からベストな方法をバス会社に相談してみましょう。

宿泊送迎

往復送迎で日をまたぐ場合は宿泊送迎となります。貸切バスは待機中も料金が発生しますが、ドライバーのために1泊2食付きの宿を準備し9時間以上の休息時間を確保すれば、その間の料金は発生しません。ただし運行と宿のチェックイン・チェックアウトの間に時間が生じてしまうとそこも待機時間として料金加算されてしまうので、アーリーチェックインやレイトチェックインの手配が必要です。

送迎バスを手配する方法は?

送迎バスは同じ目的地での利用だったとしても運行パターンによって費用がかなり変わることがわかりました。それでは送迎バスを手配するにはどのような方法があるのかも見ておきましょう。

貸切バス事業者に依頼する

個人が直接バス会社に問い合わせて貸切バスの契約をすることができます。貸切バスは出発地の都道府県に届け出のあるバス会社しか利用することができませんので、出発地に合わせてバス会社を探しましょう。昨今は2024年問題などから深刻なバス不足状態にありますので、1軒1軒バス会社を探すのは大変かもしれません。貸切バスの空車確認や予約はできるだけ早めに行いましょう。

特定バス事業者に依頼する

特定バスとしての契約を考えている場合は、特定旅客自動車運送事業の営業許可を得たバス会社を探しましょう。同じルートを定期運行するため審査や監査の基準が緩くバス1台から営業できる特定バス事業者は、小さなバス会社が多いため貸切バス事業者より見つけにくいでしょう。また特定バスに登録したバス車両は他の用途に利用できないため、新規の特定バス運行を受付できるバス会社は少ないかも知れません。

貸切バス手配サービスを利用する

バス旅ねっとのような貸切バス手配サービスは、全国の提携バス会社とバス利用者の間に立つサービスです。バス会社を探したり直接やりとりしなくても、利用内容にマッチするバス会社を探してもらうことができ、行程表作成や駐車場・乗務員宿の代行手配など、送迎バス利用に付随する困りごとへのサポートも受けられるます。初めて送迎バスや貸切バスを利用する場合にも使いやすいでしょう。なお一括見積もりサービスは、希望のエリアと車種に絞ってまとめて見積依頼ができますが、実際のやりとりはバス会社と直接しなければいけませんので、必要に応じて手配サービスと一括見積もりサービスを使い分けた方がよいでしょう。

送迎バスまとめ

私たちの生活の身近にある送迎バスがどのようなものであるのか詳しく見てきましたがいかがだったでしょうか?個人移動であれば既存のシャトルバス利用が便利ですが、ある程度人数が集まるグループでの団体移動や、シャトルバスや公共交通機関の無い場所にアクセスする場合には、貸切バスサービスでの送迎バスがおすすめです。個人から法人・官公庁まで実績が豊富なバス旅ねっとにご相談いただければ、専任担当がチームを組み、目的にマッチした送迎バスプランをご提案させていただきます。おおよそのスケジュールが決まられている場合は、お見積りフォームからご相談ください。

この記事の監修者

竹口亜衣
竹口亜衣

【保有資格】国内旅行業務取扱管理者
大学卒業後、旅行会社の営業職として勤務。社内業務の改善を行う担当機会を得たことをきっかけに、旅行業界の仕組みをより深く学ぶため、国内旅行業務取扱管理者資格を取得。現在は社内の仕組み構築・改善を担当。

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