貸切バスの見積もりを取りたいけど、初めてで何から始めれば良いか分からないという方も多いでしょう。今回は、貸切バスの見積もりに必要な要素や依頼方法、概算見積もりと詳細な見積もりの違いなどを分かりやすく解説します。また、見積もりを依頼するときの注意点や料金を安くするポイントについても紹介します。
Contents
貸切バスの見積もりについて解説
見積もりに必要な3要素
貸切バスの見積もりを取得するには「走行距離」「利用時間」「バス車種(乗車人数)」の3つを決めないといけません。
- 走行距離を決める
貸切バス見積もりの際にはまず利用予定の「出発地」「経由地」「到着地」を教えてください。その情報を元に走行距離を算出します。 - 利用時間を決める
次に「何時に出発して何時に到着するか」を教えてください。片道だけ、現地滞在後の往復利用、宿泊利用など様々なケースがありますが、その間の拘束時間を算出します。 - バス車種を決める
貸切バスはバスの車種ごとに乗車人数と料金が変わるため、乗車予定人数を教えてください。人数が増える可能性がある場合は最大の予定人数を伝えることで、おのずとバス車種も決まります。
これらの情報が揃えば、バス会社に見積もりを取ることができます。逆に言うとざっくりの料金が知りたいので「1日バスを借りた時の見積もりが欲しい」と依頼してもなかなか概算見積もりを出すのは難しいでしょう。8時間という仮の利用時間を設定できたとしても、その間に何百kmも走るのか、数十km走ってあとは待機なのかで、料金が大きく異なってしまうためです。概算見積もりであっても、おおよその走行距離と利用時間がわかる情報が必要です。乗車予定人数に幅がある場合は、バス車種ごとに複数の見積もりを出してもらうのがよいでしょう。
貸切バスの料金の算出方法
見積もりの料金を算出するのに必要な3要素は分かりました。では、それらの条件から具体的にどのように計算するのでしょうか。
ここから貸切バス料金の算出方法について詳しく解説します。
走行距離について
まずは走行距離の計算です。走行距離は、出発地から目的地まで自分たちが実際にバスに乗車する距離だけと思っていませんか?
実はそうではありません。
お客様が乗車する走行距離は「実車距離」と言われ、乗車前と乗車後のバス会社の車庫までの往復分の距離が「配車距離」と呼ばれます。両者を加算したものが、貸切バスの見積もりで計算される走行距離になります。
つまり、下の図にある「バス会社の車庫から出発地までの距離」「乗車中の距離」「帰着地からバス会社の車庫までの距離」を合計した距離が走行距離になります。
そのため、貸切バス繁忙期になると近場のバス会社に空きがなく、遠方のバス会社から手配することも増えるため、結果的に料金が高くなってしまうケースもあります。
利用時間について
続いて利用時間について解説します。こちらも、「乗車中の時間」=「利用時間」ということではありません。目的地に待機している間の拘束時間はもちろん、走行距離と同様にバス会社の車庫を出発する前と車庫に帰着する回送時間、さらにバス会社では出発と帰着後に点検や準備があり、それぞれ1時間ずつ必要になります。
つまり、実車時間+待機時間+回送時間+点検時間2時間の合計が利用時間となります。
利用時間が増えると、法律で定められている料金ルールで、深夜送料の割増し料金が発生したり、1人で運転するワンマン走行ではなく、2名交替体制のツーマン走行料金になる場合もあります。
バス車種について
最後にバス車種です。貸切バスの車種は主に大型バス、中型バス、小型バス、マイクロバス、ミニバスの5種類があります。車輌ごとに定員数やバスの仕様が違うため、利用する車種によって値段も異なります。
ここで簡単にバス車種について説明しておくと、貸切バスはまず大きく観光用と送迎用に分けられます。
大型バス、中型バス、小型バスは観光仕様のバスで、冷蔵庫やカラオケ、TVなどの設備が豊富で荷物を積めるトランクもあります。座席が広く、座り心地も良いため長時間の移動に向いています。
マイクロバス、ミニバスは送迎仕様のバスで、観光仕様のバスのように設備や座席の快適性は備わっていませんが、小回りが利くため、冠婚葬祭や視察などでよく利用されています。
このようにバス車種によって違いがあるため、利用目的や乗車人数によってバスを選びましょう。下の表で分かりやすく各バス車種の違いをまとめているので参考にしてください。
貸切バスの料金設定の範囲
貸切バスの料金は、「走行距離」「利用時間」「バス車種」の内容をもとにバス会社が算出します。
しかしながら、バス会社は全く何も気にせず自由に料金を設定して良いわけではありません。バス料金は、バス会社の監督省庁である国土交通省の運輸局により上限から下限までの範囲が決められているのです。
つまり、バス料金は上限~下限までの範囲が条件に応じて明確に決められ、その範囲内でバス会社が料金を決定しています。
また運輸局は都道府県ごとに存在するため、全く同じ利用内容だとしても、都道府県単位で上限金額~下限金額は異なり、バス料金に違いがでます。エリアごとに料金に相違があるのは、需要と供給のバランスや、人件費・燃料代などを考慮しているためです。例えば沖縄は時間単価が一番安いですが、距離単価が一番高いです。両方安いのは北海道・九州で、一番料金が高いのが近畿です。
下の表で運輸局についてまとめているので、どこの運輸局になるのか確認をしておきましょう。
北海道運輸局 | 北海道(札幌市) |
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東北運輸局 | 青森県/ 岩手県/ 宮城県(仙台市)/ 秋田県/ 山形県/ 福島県 |
関東運輸局 | 茨城県/ 栃木県/ 群馬県/ 埼玉県/ 千葉県/ 東京都/ 神奈川県(横浜市)/ 山梨県 |
北陸信越運輸局 | 長野県/ 新潟県/ 富山県/ 石川県(金沢市) |
中部運輸局 | 福井県/ 静岡県/ 岐阜県/ 愛知県(名古屋市)/ 三重県 |
近畿運輸局 | 滋賀県/ 京都府/ 大阪府/ 兵庫県(神戸市)/ 奈良県/ 和歌山県 |
中国運輸局 | 鳥取県/ 島根県/ 岡山県/ 広島県/ 山口県 |
四国運輸局 | 徳島県/ 香川県/ 愛媛県/ 高知県 |
九州運輸局 | 福岡県/ 佐賀県/ 熊本県/ 大分県/ 宮崎県/ 長崎県/ 鹿児島県 |
沖縄運輸局 | 沖縄県 |
見積もり金額の内訳
バス会社から提示される見積もりには、貸切バスを利用するのに必要な全ての費用を含んでいるわけではありません。見積もり金額には、含まれている費用と含まれていない費用があります。そして、含まれていない費用は別で支払いが必要になり、多くは当日精算で処理をすることになります。
それでは、見積もり金額の内訳について紹介します。
見積もり金額に含まれるもの
見積もり金額には「バス車輌の貸切料金」「ガソリン代(燃料費)」「ドライバーの人件費」「バス会社加入の保険(自賠責保険・任意保険)」の4つが含まれています。
また、これらの費用は1項目ずつ明細金額が記載されておらず、4項目まとめたものが貸切バスの見積もり金額として提示されます。
見積もり金額に含まれないもの
一方で、見積もり金額に含まれない費用は基本的に「有料道路料金」「乗務員宿泊料金」「回送料金」の3つとなります。これらの費用は貸切バスの利用内容や条件によってその都度変わるため、見積もり金額には含まれていません。
貸切バスの料金の詳細についてより詳しく知りたい方は、下の記事で解説しているので参考にしてください。
貸切バスの見積もりはどこに依頼すれば良いのか?
見積もりに必要な準備が分かったところで次に知りたいのは、「見積もりの依頼はどこにすれば良いのか」ではないでしょうか。
貸切バスの見積もりの依頼は「バス会社」か「貸切バスの手配会社」の2つに分かれます。ここからはこの2つについて順番に解説をしていきます。
バス会社に依頼
バス会社とは?
バス業界には「路線バス」や「高速バス」などさまざまな事業形態のバス会社があります。どこのバス会社に問い合わせても貸切バスの見積もりを取得できるというわけではありません。貸切バスの見積もりを取得するには、貸切バス事業を行っているバス会社に見積もりを依頼する必要があります。
バス会社で見積もりの依頼をする場合
実際に自身でバス会社へ見積もりを依頼する場合について紹介します。
バス会社へ直接依頼するときは、自身でやらなくてはならないことが2つあります。順番に見てみましょう。
- バス会社探し
当たり前のことですが、何よりもまずはバス会社を探すことから始めます。やはりネットで検索するのが最も効率が良いでしょう。貸切バスの料金を少しでも安く抑えたい場合は、複数のバス会社を調べて相見積もりを取得し、金額を比較してみましょう。
ただし、「あまり知らない地域でバス会社を探すとき」や「利用したい地域にバス会社が少ないとき」はバス会社を探すことが難しくなります。 - バス会社と交渉
バス会社が見つかれば、見積もり内容を算出するために、利用内容や希望条件を伝える必要があります。具体的には、バスの設備やオプション、行程に関する要望、予算の条件などです。
そして、複数のバス会社に相見積もりをする場合は、当然ながらバス会社の数だけ交渉や打ち合わせを行う必要があります。
貸切バスの手配会社に依頼
貸切バスの手配会社とは?
「貸切バスの手配会社」はあなたに代わってバス会社を探し、希望のバスを手配してくれる会社になります。日本全国で貸切バスの手配ができ、土地勘の無い地域やバス会社の少ない地域での利用でも安心して任せられます。
さらに、貸切バスの手配だけではなく、出発当日までのさまざまなサポートに対応してくれるので初めて貸切バスを利用する方にとっては心強いサービスです。
貸切バスの手配会社で見積もりを依頼する場合
貸切バスの手配会社は、豊富な知識や経験があり全国のバス会社と提携しています。そのため、バス会社を自分で探す場合に比べて多くのメリットがあります。
自分自身に貸切バスのノウハウが無かったとしても、希望の利用条件にピッタリなバス車種を選定し、最適な利用プランを提案してくれるので安心できます。また、バス会社を探す場合のように何回も打ち合わせをする必要もなく1回の交渉で済みます。
そして、あなたに代わって貸切バスに関するさまざまな手配や準備を代行してくれ、非常に手間が省けます。
下の表で「バス会社」と「貸切バスの手配会社」の違いを簡単にまとめているので参考にしてください。
「貸切バスの手配会社」の中には、バス会社の一括見積もりをしているだけのサービスもあります。その場合は実際のやりとりはバス会社と行なわなくてはならないためご注意ください。
バス会社を探す手間だけを省きたい場合は一括見積もりタイプ、手厚いサポートを求めている場合には最後まで手配会社が対応するタイプを選ぶと良いでしょう。
概算見積もりと詳細見積もりの違い
貸切バスの見積もりといっても、おおよその金額が分かる概算見積もりが欲しい場合と、正確な金額まで分かる詳細見積もりが欲しい場合の2パターンあると思います。
ここでは、概算見積もりと詳細見積もりについて説明します。
概算見積もりについて
概算見積もりは、「利用時間」「出発地」「最終到着地」「バス車種(乗車人数)」が決まれば算出可能です。利用されるシーンは、社員旅行の大まかな予算編成の際に、貸切バスのおおまかな費用を急ぎで知りたい場合などです。
概算見積もりは電話で問い合わせをして、そのまま電話口で回答をもらえます。
しかし、あくまでも概算なので、見積もり金額が変更する可能性があるので注意が必要です。利用条件など詳細が決まれば、再度見積もりを取得する必要があります。
詳細見積もりについて
詳細見積もり依頼時には、「出発日時」「各目的地の滞在時間」「帰着日時」「出発地」「目的地」「到着地」「バス車種(乗車人数)」を決めておかないといけません。場合によっては「オプションや設備」も必要になります。
詳細な見積もりの回答は、基本的にメールかFAXとなり、正式な見積書として扱われます。
口頭だと内容の聞き間違いや言った言わないのミスが起こりがちですが、それを防ぐために書面でのやり取りが必須になります。
見積書原本での回答は可能ですが、利用者の手元に届くまで日数がかかり、予約の手続き、バスの座席表や当日の行程表などの送信の際もメール、FAXを使用するので主な連絡方法はメールやFAXとなります。
また詳細見積もりには、バス料金やその他に必要な費用、利用時間、注意事項などが詳細に記載されています。また、見積もりは問い合わせてから24時間以内に回答する会社が多いです。
貸切バスの見積もり依頼時の注意点
見積もりの有効性について
貸切バスの見積もりは取得した内容がいつまでも有効というわけではありません。バス会社は空車数やドライバーの空き状況で運行スケジュールを管理しています。
ですから、あなたと同じ利用予定日に他のお客様からあなたの利用内容と似た予約が入れば、あなたが取得した見積もり内容の枠が埋まってしまい、予約が出来ないことがあります。
「見積もり」=「仮予約」ということではないので、見積もり内容に問題が無ければできる限り早く予約まで済ませておきましょう。
貸切バスの利用内容に変更があった場合
見積もり取得後に利用内容を変更したい場合、早めにバス会社へ連絡しておきましょう。連絡が遅くなるとバス会社の運行スケジュールやドライバーの労働時間の関係で変更内容が受け入れられないことがあります。
特に出発日の直前に乗車人数が増減しても、バス車種を変更するのは大変難しくなるので注意が必要です。最初から乗車人数が増える見込みがある場合は、座席数に余裕のある車種を選んでおきましょう。
また、内容変更によっては見積もり料金が変動する場合があるのでバス会社への連絡は必ず忘れないようにしましょう。
貸切バスの見積もり料金を安くする3つのポイント
貸切バスを見積もりを安くできるポイントがあれば知りたいですよね。では、今から貸切バスの見積もり料金を安くする3つのポイントを解説していきます。
複数社に相見積もり
1社だけに見積もりを依頼するのではなく、複数社に依頼し相見積もりをすることです。料金面だけを比べるのなら複数社で相見積もりをしましょう。
また、バス会社ごとに対応面の良し悪しには差があります。特に法人で利用する場合、当日に大切なクライアントが乗車する際は料金面だけでなく、利用内容に相応しいバス会社かどうかの質を判断するためにも相見積もりがオススメです。
繁忙期の利用は避ける
貸切バス業界には繁忙期と閑散期があります。簡単に説明すると夏から秋にかけてが繁忙期、冬から春にかけてが閑散期となります。
夏は観光や旅行、会社での社員旅行・慰安旅行、学生の合宿や試合・大会、秋は学校の修学旅行や遠足のシーズンとなり貸切バスの需要が急激に高まります。よって、繁忙期に貸切バスの見積もりを依頼すると、どのバス会社も見積もり料金が割高になります。
できる限りバス料金を抑えたい方は、夏から秋の繁忙期の利用は避け、冬から春の閑散期に貸切バスの利用を計画して見積もりをしましょう。
利用日直前ではなく、できるだけ早い時期に見積もりする
どんなものでも、条件の良いものや価格の安いものから順番に売り切れますよね。貸切バスも同じように条件の良い見積もりから予約が埋まっていきます。
利用希望日の直前に見積もりを依頼すると、条件の良い見積もりは既に予約で埋まっているので、対応できるバス会社や空車が少なく、必然的に料金が割高となります。
つまり、利用希望日までの期間に余裕を持って見積もりを依頼することで、希望のバス車種を選べたり、条件の良い見積もりを取得できる可能性が高くなります。
「繁忙期の利用は避ける」で解説したように貸切バス業界の繁忙期は夏から秋にかけてがピークになるので、早い人は利用希望日の2~3か月前から見積もりを依頼します。バスの空車が無くなることを防ぐために見積もりを取得したらすぐに予約する方もたくさんいます。
ここで1つ注意したいことは、いつからキャンセル料金が発生するのかを確認しておくことです。急用でバスの利用ができなくなってしまった時のことも考え、予約時にキャンセルの規定についてもしっかり確認しておきましょう。
まとめ
貸切バスの見積もり方法について解説しましたが、見積もりを取得するまでのイメージはできたでしょうか。見積もりや準備が面倒だと感じない方は「バス会社」へ直接問い合わせし、手間を省きたい方は「貸切バスの手配会社」に任せましょう。1度、両方の会社で見積もりを取り、どちらが自身に合っているか比較検討してみてはいかがでしょうか。
「バス旅ねっと」は貸切バス専門の手配会社です。ただバス会社の一括見積もりだけを行うのではなく、お客様とのやりとりも提携バス会社との交渉も、すべて「バス旅ねっと」が行います。
お客様の貸切バスを利用したイベントを成功に導くため、専任担当が付きしっかりサポートさせていただきますので、初めての貸切バス利用で不安な方などはぜひ「バス旅ねっと」にご相談くださいませ。
具体的に貸切バス利用の予定がある方はお見積りフォームより内容をお聞かせください。