奈良県の貸切バスモデルコース

奈良に清酒発祥の地?日本酒の聖地&酒造めぐりをしよう

奈良の日本酒聖地&酒造めぐり

日本の三大酒どころといえば兵庫の灘・京都の伏見・広島の西条ですが、清酒発祥の地が奈良にあるのをご存知ですか?奈良はそもそも日本の始まりの地でもあるので色んな起源があっても不思議はないのですが、ちょっと意外ですよね。日本最古の酒造とされているのは、平安時代末期1141年に創業した茨城県にある「須藤本家」です。そして清酒発祥の地とされているのは、平安時代中期の992年に創建した奈良市にある「正暦寺」というお寺です。お坊さんがお酒作りしていたというのはさらに意外な事実ですね。現代人からすると仏教の「不飲酒戒」による飲酒禁止のイメージが強いですが、神道ではお酒は神聖なものとされているので、神仏習合の形態をとっていた当時の寺院でお酒は悪いものではなく、酒造りは財源調達の大切な手段だったのです。古来のドロドロとした濁酒から澄んだ清酒が生まれたのがお寺であると考えるとなんだか神聖な気がしてきました。奈良には他にも日本酒に関係の深い歴史的な聖地やお酒の神様を祀る神社があり、昔ながらの酒蔵だけでなく新たな商品開発や発信に積極的な酒造メーカーも多く存在します。そこで今回はお酒好きやお酒に携わるお仕事の人で集まってぜひ行ってほしい奈良県のスポットを、大阪からの日帰りモデルコースにまとめました。

行く先々ではみんなでお酒も楽しんでほしいのでマイカーやレンタカーではなく公共交通機関を使いたいところですが、奈良は中心部から離れた場所同士はアクセスしづらく非常に遠回りになってしまいます。そこでおすすめなのが運転手付きの貸切バスサービスです。貸切バスでチャーターできる車両は小さなミニバス(コミューター)マイクロバスから大きな観光バスまでいろいろなタイプがあり、目的や人数に合わせて個人で気軽に利用することができるんです。10名以上のグループで酒造めぐりをするなら、移動手段には貸切バス利用も選択肢に入れてみてくださいね。少人数の場合は、タクシーやハイヤーの利用もおすすめです。

貸切バスで行く奈良県おすすめ観光コース

大阪駅~春日大社~正暦寺~長龍ブリューパーク~三輪明神 大神神社~今西酒造~梅乃宿酒造~大阪駅

奈良県の見どころ観光スポット

  • 奈良の「春日大社」にある酒殿
    10:00

    春日大社 酒殿

    奈良公園の東、御蓋山の麓に位置する768年創建の「春日大社」は、全国に約1,000社ある春日神社の総本社であり、縁結びのパワースポットとして知られています。朱塗りの本殿の参拝だけでなく、自然豊かな境内にはたくさんの灯籠が並び鹿も歩いているので、ゆっくり散策したい場所です。

    そして今回の奈良日本酒聖地めぐりで立ち寄ってほしいのが、本殿前にある「酒殿・竃殿」です。この場所では春日祭にお供えするための濁酒が千年以上造られ続けており、神社内に残っている醸造施設は、全国でもここだけなのです。内部の見学はできませんが、酒神である酒弥豆彦神と酒弥豆売神が祀られており、1632年に造替された檜皮葺の建物は重要文化財に指定されているので、外から見学しましょう。

  • 奈良の「正暦寺」にある日本清酒発祥の地石碑
    11:30

    正暦寺

    春日大社を南に下った山間部にある「正暦寺」は紅葉の名所・錦の里としても知られており、11月上旬から12月上旬に見頃を迎えますが、清酒発祥のお酒の聖地としても有名です。992年の創建から正暦寺では、荘園でできた米から僧侶が醸造する”僧坊酒”づくりが盛んで、三段仕込み・諸白造り・菩提酛造り・火入れなどの近代醸造法の基盤となる酒造技術が確立していました。正暦寺の僧坊酒「菩提泉」は天下一と謳われる「南都諸白」ブランドとなり、江戸にまで伝わりました。この「諸白」は現在の清酒の祖とされており、正暦寺は「清酒発祥の地」と言われているのです。

    現在の正暦寺では大規模な酒造りは行われていませんが、毎年1月に酒母の仕込みを行っており、2021年には菩提泉の銘柄が復活しています。また正暦寺の酒母をから醸造した銘柄も奈良県内の7つの蔵元から造られており、購入することができます。

    【菩提酛清酒 銘柄】
    今西酒造「三諸杉」/上田酒造「喜長」/北岡本店「やたがらす」/葛城酒造「百楽門」/倉本酒造「つげのひむろ」/菊司醸造「菊司」/油長酒造「鷹長」

  • 奈良の「長龍ブリューパーク」
    12:30

    長龍ブリューパーク

    奈良の日本酒づくりの歴史に触れられるスポットを訪れたあとは、近代的な奈良のお酒スポット「長龍ブリューパーク」で昼食をとりましょう。この施設は、日本発の瓶詰め樽酒「吉野杉の樽酒」で知られる老舗・長龍酒造が2022年本社横に建てたもので、平日は芝生公園として開放、土日祝だけ3種の日本酒と7種のクラフトビールが常設されたタップルームが営業しています。お酒に合う軽食が楽しめる他、食べ物の持ち込みもOKですよ。本社・広陵蔵での蔵見学はコロナ禍以降中止されていますが、本社アンテナショップや長龍ブリューパークのショップでは、ここにしかないレアな限定品などを購入することができるので要チェックです。

    平日はこの場所で食事ができないので次のスポット「大神神社」へ進みましょう。三輪そうめんが有名な場所なので「三輪山本 お食事処」「池利三輪素麺茶屋 千寿亭」など、団体でも利用しやすいお店が複数あります。

  • 奈良の「三輪明神 大神神社」摂社の活日神社
    14:00

    三輪明神 大神神社

    桜井市にある「三輪明神 大神神社(おおみわじんじゃ)」は、日本最古の神社とされる1つで、本殿はなく三ツ鳥居を通して御神体の三輪山(三諸山)を直接拝めるようになっています。国道沿いの大鳥居から三ツ鳥居のある拝殿まで様々な見どころがありますが、今回の旅で立ち寄ってほしいのは本社拝殿の北にある摂社「活日神社(いくひじんじゃ)」です。ここに祀られているのは、杜氏の祖先神である酒造りの神様・高橋活日命のため、酒造関係者が多く参拝に訪れる場所です。

    大神神社近くには昔ながらの「三諸杉」と14代目が立ち上げ海外でも高く評価されている「みむろ杉 ろまんシリーズ」といった銘柄で知られる今西酒造の本店があります。以前実施していた利き酒体験などはコロナ禍以降は中止していますが、趣のある建物で様々な銘柄の説明を聞くことができるので、お店に立ち寄ってみるのもおすすめです。

  • 奈良の「梅乃宿酒造」直営店
    16:00

    梅乃宿酒造

    奈良の日帰り酒造めぐり最後のスポットは、創業130年を超える老舗酒造でありながら、日本酒リキュール「あらごし」シリーズなどで若者に人気の高い「梅乃宿酒造」の2022年にオープンした新蔵です。ここでは試飲とお土産付きの有料見学や梅シロップ・梅酒作り体験を受け付けており、10月には蔵開きのイベントが開催されますよ。

    直営店では梅乃宿の日本酒やリキュールだけでなく、オリジナルのおつまみやお土産にもぴったりなお菓子もあるので、お買い物をするだけでも楽しいですよ。さらにSNSで話題のオンラインショップ限定リキュール「大人の果肉の沼」をトッピングしたミルクアイスや、ノンアルコールのあらごしドリンクの店頭フードがあるのもうれしいですね。

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