長崎空港から平戸へ教会と絶景をめぐる1泊2日モデルコース
長崎県のモデルコースといえばグラバー園や長崎新地中華街のある長崎市内観光コースや、雲仙温泉や島原城のある島原半島観光コースが多いのですが、長崎県北部にも魅力的なスポットがたくさんあります。その中で今回は平戸の教会めぐりをテーマにモデルコースにしてみました。長崎空港から平戸方面へ公共交通機関で移動しようとすると電車やバスを乗り継いだり徒歩移動が発生したりと3~4時間かかってしまいますが、車であれば1時間半から2時間でアクセス可能です。そのため遠方から長崎観光をする場合はレンタカーが人気ですが、知らない土地を運転するのはちょっと不安ですよね。そこでおすすめなのが運転手付きのバスをチャーターする貸切バスのサービスです。貸切バスであれば、公共交通機関の通じていないルートでも好きな経路・好きな時間に運行してもらえるので、今回のような点在する教会めぐりにはぴったりの移動手段なんです。10人以上のグループで長崎観光をする場合は、ぜひ貸切バスを検討してみてくださいね。
さて異国情緒あふれる長崎の教会めぐりは景観だけでも楽しめますが、このエリアは世界遺産の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に指定されていますので、歴史背景についても簡単にふれておきましょう。日本へキリスト教が伝わったのは宣教師フランシスコ・ザビエルがやってきた1549年。キリシタン大名が貿易によって力をつけること嫌った豊臣秀吉が1587年にキリシタン宣教師の国外追放を命じ1639年の鎖国に繋がりました。その後1854年の開国で来日したカトリック信者向けの教会「大浦天主堂」が造られた1865年まで、日本ではキリスト教が消滅したと思われていましたが、250年以上もの間隠れてキリスト教を信仰していた日本人が大量に発見されました。このキリスト教禁止期間に長崎・熊本に根付いたのが、キリシタン信仰を仏教のように見せかけた独自の信仰文化です。1873年の明治幕府によってキリスト教が解禁されると、カトリック信仰に復帰した”潜伏キリシタン”が各地にカトリック教会を造りましたが、独自の信仰を継続した”隠れキリシタン”もいます。世界遺産に登録されているのは教会などの施設単体というよりも、独自信仰文化を形成した集落全体が多くなっています。キリシタンの歴史について深く知りたい方はこちらを探訪する旅を計画してみてはいかがでしょうか。
【世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」構成資産】
❶原城跡(南島原市)❷平戸の聖地と集落(春日集落と安満岳)❸平戸の聖地と集落(中江ノ島)❹天草の﨑津集落❺外海の出津集落❻外海の大野集落❼黒島の集落❽野崎島の集落跡❾頭ヶ島の集落❿久賀島の集落⓫奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺)⓬大浦天主堂
貸切バスで行く長崎県おすすめ観光コース
1日目
長崎空港~田平天主堂~平戸瀬戸市場~平戸ザビエル記念教会~平戸オランダ商館~カトリック山田教会~生月サンセットウェイ~平戸温泉
2日目
平戸温泉~紐差教会~宝亀教会~九十九島パールシーリゾート~長崎空港
長崎県の見どころ観光スポット
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1日目午前
田平天主堂~平戸瀬戸市場
長崎空港から佐世保市を抜けると1時間半~2時間で、1つ目の教会「田平天主堂(カトリック田平教会)」に着きます。平戸瀬戸を望む標高100mの高台にそびえるロマネスク様式の赤レンガ造りの教会で、正面のマリア像と色鮮やかなステンドグラスが特徴です。
平戸大橋を手前の田平港にある平戸瀬戸市場は、昼食休憩場所におすすめです。100席以上のキャパがある2階の展望デッキ付きレストラン&カフェでは、その日水揚げされたばかりの新鮮な魚を使った平戸海鮮丼・海鮮天丼や、平戸和牛丼・平戸豚ロースカツ丼・平戸夏香天然果汁ジュース・じゃが芋焼酎「じゃがたらお春」などの地元素材を楽しめます。 -
1日目午後
平戸ザビエル記念教会~平戸オランダ商館
昼食を終えたら平戸大橋を渡って平戸島に入ります。平戸城と城下町も有名観光地ですが、今回の教会めぐりでは省略します。中型バスや大型バスでアクセスする場合は、平戸港交流広場駐車場に停めて、平戸の町は徒歩で散策しましょう。
おすすめルートの1つ目は、正宗寺・光明寺・瑞雲寺の横を通って「平戸ザビエル記念教会(旧 聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂)」へ向かう「寺院と教会の見える道」で、かわら屋根越しに教会が見える風景は、異文化の融合する平戸ならではです。15分ほどで到着する教会は、エメラルドグリーンの外壁と尖った屋根が特徴です。
おすすめルートの2つ目は、平戸ザビエル記念教会から平戸オランダ商館に向かう「大ソテツ通り」です。この周辺には推定樹齢400年の大ソテツや、軽い休憩に立ち寄れる「平戸温泉うで湯・あし湯」があります。古い日本家屋の路地を抜けて海沿いの道に出ると見えてくる白い建物が「平戸オランダ商館」です。ここは入場料が必要なミュージアムになっており、中国~ポルトガル~オランダとの交流の歴史を、様々な展示物から知ることができます。平戸オランダ商館から平戸港交流広場駐車場までは徒歩7分ほどです。 -
1日目夕方
カトリック山田教会~生月サンセットウェイ~平戸温泉
散策が終わる頃にはホテルにチェックインできる時間になっていますが、せっかくなので夕日の絶景スポットまで足を伸ばしてみませんか?生月大橋を渡って平戸島からさらに西にある生月島へ。この島にも有名な教会「カトリック山田教会」があるので時間に余裕があれば立ち寄りましょう。ベージュのレンガ造りで他の教会とはまた違った雰囲気ですよ。
生月島は車で1周するのに1時間ほどの小さな島で、西側に絶景ロードの「生月サンセットウェイ」があります。自動車メーカーCMの聖地と言われている場所なので、ぜひ日没のタイミングに合わせて走ってみてください。
宿泊は平戸島に戻って「千里ヶ浜温泉(平戸温泉)」へ。コバルトブルーの海を見渡せるインフィニティ展望露天風呂がある湯快リゾート系列の「平戸千里ケ浜温泉ホテル蘭風」がおすすめの宿です。 -
2日目午前
紐差教会~宝亀教会
教会巡りの2日目は、平戸島を南下しましょう。有名な教会が2つあります。1つ目はイギリス積の赤レンガ造りに白い漆喰が特徴的な「カトリック宝亀教会」です。玄関上部にほどこされたヨセフ像とマリア像、礼拝堂内部のコウモリ屋根とステンドグラスも見どころです。
2つ目はロマネスク様式で真っ白な「カトリック紐差教会」です。内部のアーチやステンドグラスには、仏教的な花柄模様が使われ、独特の雰囲気を醸し出しています。 -
2日目午後
九十九島パールシーリゾート
旅の最後のスポットは複合施設の「九十九島パールシーリゾート」です。ここでは遊覧船「パールクイーン」「海賊遊覧船みらい」やカヤック・ヨットに乗って九十九島を満喫することができます。九十九島水族館「海きらら」や九十九島水族館「杜きらら」もあります。
飲食店は、本格石窯ピッツァの「コスタ九十九島」・長崎和牛の洋食店「とことわ」・佐世保名物レモンステーキなどがある「九十九島海遊」・元祖あごだしらーめんの「あごら〜めん本舗」・手作り佐世保バーガーの「ラッキーズ」など種類豊富です。海鮮市場や土産物店のショップも複数ありますので、旅の思い出のお土産をゲットしましょう。