「貸切バスでの移動時間、どう過ごそう?」せっかくのバス旅行、移動中も楽しく有意義に過ごしたいですよね。特に長距離移動や合宿・研修などで貸切バスを利用する幹事さんにとって、移動中に車内設備をどんな風に活用できるのかは気になるところでしょう。中でも「貸切バスでDVDって見れるの?どんなDVDなら再生できるの?」という疑問はよく耳にします。
ここで難しいのは、ひとことに”貸切バスでDVDが再生ができるか?”と言っても、下記のように複数の側面があることです。
- バス車両にはすべてDVD再生機器が搭載されているのか?
- 再生できるのはどんなDVD形式なのか?
- 貸切バス内でDVDを視聴することに法的な問題はないのか?
そこでこの記事は貸切バス手配サービスの「バス旅ねっと」が、貸切バスでのDVD再生に関する幹事さんのあらゆる疑問を解決する情報を徹底解説いたします。再生可能なDVDの種類から注意点、移動時間を有効活用するための情報まで、みなさんのバス企画成功をサポートします。
Contents
貸切バスのDVD設備ってどうなってるの?

まずは貸切バスの車両にDVD再生設備が備わっているかどうかを見てみましょう。このセクションでは、貸切バスに搭載されている基本的なDVD設備と、バスの種類によって設備がどう異なるのかについて詳しくご説明します。
バス設備のDVD再生の仕組み
貸切バスのDVD設備も、ご家庭のDVDプレーヤーをテレビ画面で見るのと基本的な構造は同じです。まずディスクを再生するためのDVDデッキが設置されており、そこから映像はモニターへ、音声は車内の音響スピーカーシステムへ出力されることで、DVDを視聴することができます。
DVD設備があるのは観光バスだけ
しかしながら貸切バスの車両には種類があるため、DVD設備は基本的に観光バス仕様の車種にしか備わっておらず、バス車体によって異なることもあります。
バス種類 | 再生設備 | DVD設備の特徴 |
---|---|---|
大型バス | ◯ | 貸切バスの中で一番大きな大型バスは、長距離・長時間走行に向いているため、観光設備であるDVDデッキが標準装備されています。車両が大きいため、モニターは前方だけでなく中央付近にも設置されています。 |
中型バス | ◯ | 中型バスは大型バスよりひとまわり小さいだけなので観光設備は大型バスとほぼ同じです。DVDデッキとモニター2台が標準装備されています。 |
小型バス | ◯ | 観光バスの中で一番小さなサイズである小型バスにもDVDデッキが標準装備されていますが、車両の長さは短いのでモニターは前方のみです。 |
マイクロバス | △ | 小型バスと同じサイズ感で、短距離・近時間走行に向いた送迎バスタイプがマイクロバスです。そのため観光装備を搭載していない車両がほとんどですが、一部DVD設備を搭載した車両もあります。 |
ミニバス | ✕ | 貸切バスの中で一番小さなミニバスは、ハイエースコミューターのような乗用車に近いサイズ感の送迎バスであるため、DVDデッキやモニターといった観光装備はありません。 |
「せっかくDVDを用意したのに見られなかった…」という事態を避けるためにも、貸切バスを予約する際には、必ずDVD設備の有無について確認するようにしましょう。
観光バスのDVD設備で再生できる形式は?

貸切バスの中でどんな車両ならDVDデッキが搭載されているかわかったところで、再生できるDVDはどんな形式なのか、そして持ち込んでも法的に問題がないのはどんなDVDなのかといった注意すべきポイントを解説します。
再生できるのはDVDビデオ(DVD-Video)のみ
貸切バスのDVDデッキで再生できる形式は、ご家庭のDVDプレーヤーで再生できる形式と同じDVDビデオ(DVD-Video)です。市販されている一般的な映画・ドラマ・アニメなどはすべてこの規格で作成されており、多くのプレーヤーで互換性があります。
市販のCD/DVDは持ち込み不可
では市販DVDやレンタルDVDを貸切バス内で視聴できるかというと、その答えはNOです。なぜなら市販のDVDやCDは個人で楽しむ目的で販売されたものであり、個人の範囲を超えた不特定多数の人が視聴する状態にあるバス車内での上映は、著作権法に抵触するためです。テレビ番組もリアルタイムの視聴はOKですが、録画したものを上映するのはNGです。
ビデオソフトに収録された映画やアニメなどは、著作権法上で『映画の著作物』と呼ばれています。『映画の著作物』に係わる4つの権利(複製権、上映権、公衆送信権・公衆伝達権、頒布権)が働くような利用は、一定の例外を除いて、著作権者の許諾が必要になります。一般に流通している市販用またはレンタル用のビデオソフトは、「上映用」の許諾がされているものではなく、また「頒布権」という権利によって家庭内で視聴するお客様に頒布先が限定されています。このため、市販用またはレンタル用のビデオソフトを入手して、それを著作権者に無断で上映するなど家庭でのご視聴以外の目的で使用することは、著作権侵害(=違法行為)を惹き起こすことになってしまいます。
一般社団法人 日本映像ソフト協会
バス会社保有の業務用DVDは視聴可能
自身で持ち込んだ市販DVDは貸切バス内で上映できませんが、バス会社が保有している業務用DVDであれば上映が可能です。家庭用の「頒布用」ではなく公の「上映用」に許諾を得ているためです。遠足や修学旅行などで子供向けのアニメ映画などを上映したい場合は、貸切バス予約時にバス会社に確認してみましょう。バス会社内のDVD本数にも限りがありますので、早めに相談しておくことがおすすめです。
観光バス設備で再生できないメディア
貸切バス搭載のDVDデッキでは再生できないメディア種類はこちらです。運行当日のトラブルを防ぐためにチェックしておきましょう。DVD作成方法、ファイナライズとは?、リージョンコードとは?については次章で詳しく解説しています。
メディアの種類 | 再生可否 | 理由・注意点 |
---|---|---|
ブルーレイディスク (Blu-ray Disc) | ✕ | 貸切バス搭載のDVDデッキはブルーレイディスクの再生には対応していません。BD対応デッキを搭載している車両もありますが、かなり少数なので難しいでしょう。著作権には注意が必要です。 |
海外のDVD | ✕ | 国内のDVDデッキで再生できるのは、リージョンフリーやリージョンコード2のNTSC形式のみです。その他のリージョンコードやPAL形式は再生できません。著作権や不正コピーに注意が必要です。 |
データDVD | ✕ | DVDデッキで再生できるのはDVDビデオ形式にファイナライズされたディスクのみです。MP4やMOVなど動画データをそのままDVD-R/-RWにコピー保存しただけでは再生できません。 |
CD | ◯ | DVDデッキはほとんどがCD再生に対応しています。ビデオCDや音楽CDのマークが付いたディスクだけでなく、MP3/WMA/AACフォーマットに対応している機種もあります。著作権には注意が必要です。 |
iPod/iPhone | ✕ | 自家用車でできるAUX端子やUSB端子へのケーブル接続、Bluetoothでのワイヤレス接続などは、貸切バスでできません。またスピーカーを用意して音楽を流す場合も著作権に注意が必要です。 |
オリジナルDVD作成時の注意点
自作のオリジナルムービーであれば著作権に問題がないため貸切バスの車内で流すことが可能です。最近はスマホなどで動画撮影が身近になり、MP4やMOVの動画データをやり取りすることが増えたかもしれませんが、DVD-R/-RWなどディスクを扱う機会は減ったのではないでしょうか?ここでは、DVDプレーヤーで再生可能なDVDの作成方法と注意点を解説します。
DVDビデオを作成する方法は?

DVDビデオを作成する方法はいくつかあります。ハンディビデオカメラなどで撮影したホームビデオであれば、家庭用DVDデッキにつないでダビング録画することができます。スマホ動画であればデータを送るとDVDビデオ化してくれるサービスがあるようです。
パソコンに取り込んだ動画やパソコンで作った動画の場合は、DVDオーサリングソフトを使用しないとDVDビデオにすることができません。DVDオーサリングとは動画データにメニュー情報やチャプター情報を付与し、DVDプレーヤー再生用データを生成することです。オーサリングソフトは無料のものから有料のものまであり、直接DVDに焼き込むタイプやISOイメージデータを保存できるタイプがあります。ISOデータをDVDに焼くだけならDVDライティングソフトでOKです。
ファイナライズとは?

いずれのDVDビデオ作成方法でも必ず「ファイナライズ(finalize)」という処理が必要です。この処理は、ディスクにこれ以上データを書き込みませんという記録確定の意味を持ち、ファイナライズ済みのディスクはDVDを作成した機器以外でも再生できるようになります。ファイナライズができていないと観光バス設備でも再生できません。
DVDオーサリングソフトの場合は特別な設定なしでもファイナライズ処理まで行われることが多いでしょう。家庭用DVDデッキの場合は、基本的にその機器で再生することが前提になっているため、他の機器で再生するためのファイナライズ処理を追加設定する必要があります。
リージョンコードとは?

著作権保護や海賊版コピー防止の目的でつくられた、1~6までの地域別コードが「リージョンコード(region code)」です。DVDディスクとDVDプレーヤーどちらにも設定されており、リージョンコードが一致することで再生できるという仕組みです。
日本国内ではリージョンコード2もしくはALLでないと再生することはできません。販売されているDVDパッケージには必ず記載されています。オリジナルDVDを作成する場合も、日本向けのオーサリングソフトを使用すれば、標準設定が2もしくはリージョンフリーになっていることがほとんどです。
リージョンコード | 主な地域 |
---|---|
1 | 北米(アメリカ、カナダ)、アメリカの保護下にある地域 |
2 | 日本、ヨーロッパ、南アフリカ、中東、エジプト |
3 | 東南アジア、東アジア |
4 | オーストラリア、ニュージーランド、中南米、太平洋諸島 |
5 | アフリカ、インド、ロシア |
6 | 中国本土 |
ALL | 全てのリージョンで再生可能(リージョンフリー) |
当日DVDを再生するための準備
貸切バス内でオリジナルDVDを作成して上映するのは、研修用ビデオや過去のイベント映像など、移動の目的に合わせて企画されていることが多いでしょう。DVDが再生できなかったら企画が台無しになってしまいますが、動画データと違ってDVDは再生できないケースがよく発生します。貸切バス移動当日まで次のポイントでしっかり準備をしておきましょう。
再生確認は複数環境で行なう
DVDを作成したパソコンのDVDドライブだけでなく、家庭用DVDプレーヤーや別のパソコンなど、問題なく再生できるかは必ず複数のDVD再生機器で確認しましょう。DVDドライブとプレーヤーには相性があり、作成した環境では再生できても他の機器では再生できないケースがよくあります。
ディスクの品質と保存状態にこだわる
使用するDVDディスクは、信頼できるメーカーの高品質なものを選びましょう。安価なディスクは、データの書き込みエラーや経年劣化による再生不良のリスクが高まります。また作成したDVDは傷や指紋、ホコリが付かないように専用のケースに入れて丁寧に保管しましょう。持ち運び時の衝撃から保護できるようハードケースがおすすめです。
複数の予備ディスクを準備する
DVDの盤面に傷があると読み込みができなくなってしまいます。当日持参したDVDディスクになんらかの物理的破損が起きる事態に備え、同じ内容のDVDを2~3枚予備として用意しておきましょう。これには、異なるメーカーのディスクで焼いておくことも有効です。
早めにバス会社に相談しておく
観光バスには基本的にDVD設備は付いていますが、すべての車両で故障なくDVD設備が動いているとは限りません。貸切バス予約の際には、自作のオリジナルDVDを持ち込みたいということを必ず相談しておきましょう。
DVD鑑賞以外に貸切バスで盛り上がれるアイデア
みんなで好きな映画のDVDを観ようと思っていたのに、市販DVDは貸切バスで上映できないことを知ってしまったあなたのために、貸切バスの設備を使って移動時間を楽しく過ごす方法をご紹介します。
カラオケ大会
観光バスにはDVDデッキの他にカラオケ機器も備わっているので、モニターとマイクと一緒に使用してカラオケ大会をすることができます。登録楽曲が古いままの車両が多いですが、バス会社によっては新しい機器を導入しています。セットアップや接続チェックが必要なので、カラオケを利用したい旨は事前にバス会社に伝えましょう。
ビンゴ大会
観光バスのカラオケ機器にはビンゴゲームの機能が付いているので、ビンゴ大会を行なうことができますよ。ビンゴカードやビンゴ景品は別途準備しましょう。セットアップや接続チェックが必要なので、ビンゴゲームを利用したい旨は事前にバス会社に伝えましょう。
貸切バスでのDVD利用まとめ
貸切バスのDVDデッキの設備を使用する際の注意点を、車両設備だけでなくDVD規格面や著作権法など多角的に解説してきましたがいかがだったでしょうか。この記事でご紹介したポイントをまとめると、以下のようになります。
- DVD再生機器は観光バスに標準装備されているが送迎バスには無い
- バス車内で市販DVD上映は著作権法上NGのため持ち込み不可
- バス会社保有の業務用DVDは視聴可能だが事前確認必須
- 自作DVDはDVD-Video形式へのオーサリング必須で動画データは再生不可
- DVD-Video形式でもファイナライズ未処理だと再生不可
- ブルーレイディスクや海外DVDは再生不可
- DVDディスク再生不能を避けるための準備は必須
- カラオケやビンゴなどDVD以外の観光設備も楽しめる
- バス設備利用は当日ではなく事前にバス会社に相談する
観光バスにはいろいろな設備が備わっていますが、事前確認や相談が重要なことがわかりましたね。要望にマッチしたバスの空車探しや利用内容の伝達を、バス会社1社ずつ行なうのは大変な手間がかかります。全国に業界最大級の提携バス会社を持つ貸切バス手配サービス「バス旅ねっと」をご利用いただければ、お客様は弊社専任担当にご要望をお聞かせいただくだけなのでスムーズですよ。失敗ができないビジネスでの貸切バス利用は、大手企業や官公庁などの実績が豊富なバス旅ねっとにお任せください。