団体移動に便利と知られている貸切バスですが、皆さんは乗車したことはありますか?
貸切バスは基本的に5種類の車種があり、定員数や座り心地は異なります。
また、バス酔いしやすい方はどの席に座るべきか知りたいですよね。
今回は、貸切バスの各車種の定員数、座り心地、座席図など座席に関することを網羅的に解説します。
乗車定員は何人まで?

はじめに、各車種の乗車定員と座席図について紹介します。
貸切バスの車種は主に5種類で、大型バス、中型バス、小型バス、マイクロバス、ミニバスとなります。同じ車種であっても車輌によっては定員数が若干異なることがあります。どんなレイアウトが主流なのかや最大何人乗車できるのかをそれぞれ詳しく解説していきます。
大型バス

大型バスは通常53人まで乗車できます。正座席が45席、補助席が8席の車輌がノーマルです。
そのほかに、最大60人まで乗車できる大型バスもあります。この車輌は正座席49席、補助席11席となります。60人乗りの大型バスは保有していないバス会社もあるため大型バスの中ではレアな車輌となります。
しかし、近年では大人数で移動することが多く、60人乗りの車輌の需要が高まってきている地域もあります。そのため、利用する地域によっては簡単に借りられることもあるようです。
大型バスの座席図
大型バスの基本的な座席図を2つ紹介します。


補助席をできる限り利用したくないという方は、正座席の数が多い60人乗りの車輌を指定することもあります。
中型バス

中型バスは通常27人まで乗車できます。補助席は無く、全員が正座席に座れることが特徴です。
中には、同じく正座席のみで28人まで乗車できる中型バスもあります。しかし、27人乗りの中型バスが基本となるため28人乗りの車輌を指定するのは難しくなります。
もし乗車人数が28人で、利用する地域に28人乗りの車輌が無い場合は、大型バスを利用することとなります。
中型バスの乗車人数は大型バスの約半分となりますが、設備や快適度は大型バスと比べて遜色無く、大型バスと同じくらい需要の高い車種となっています。
中型バスの座席図
中型バスの基本的な座席図を2つ紹介します。


中型バスの28人乗りを指定したい場合は、早めにバス会社へ相談することをオススメします。
小型バス

小型バスは通常25人まで乗車できます。中型バスと同じく補助席が無いのが特徴です。
中には、補助席を含んで25人乗りの車輌や21~23人までの車輌もあります。
小型バスは10年以上前に製造が終了しているため、非常にレアな車種となります。
近年、50人程度の団体移動、もしくは15人程度の少人数移動が多く、利用する車種は大型バスやマイクロバスで解決することから小型バスの需要が少なくなり、終了したとも言われています。また、中型バスと定員数がほとんど変わらないということも理由の1つでしょう。
小型バスの座席図


小型バスは保有している会社が少ないため、どうしても利用したいという場合は複数社に問い合わせなければならないということも念頭に置いておきましょう。
マイクロバス

マイクロバスは通常27人まで乗車できます。正座席が21席、補助席が6席の車輌がノーマルです。このほか、20~23人までの車輌もあります。マイクロバスはメーカーや保有している会社によりレイアウトはさまざまで1番種類が豊富です。
マイクロバスは、観光仕様の大型バス、中型バス、小型バスとは違い、送迎仕様で造られており、大きな荷物のある旅行というよりは近場での送迎向けのためトランクルームが付いていません。中には、少人数で荷物が多い団体のために車内の後方を荷物スペースとした車輌もあります。それが、上で紹介した20~23人乗りの車輌です。
マイクロバスの座席図
マイクロバスの基本的な座席図を4つ紹介します。




荷物が多い場合は、車内の空席に置くことになるため心配な方は中型バスの利用を検討するようにしましょう。
ミニバス

ミニバスは通常13人まで乗車できます。補助席は無く、イメージとしては乗用車をそのまま大きくしたものに近いです。乗用車は最大7人までしか乗車できませんが、ミニバスなら8人以上13人以内の少人数で移動する時にちょうど良く利用しやすいです。
ただし、ミニバスは全国的に車輌の数が少ないため料金にほとんど差の無いマイクロバスを利用する方が多いです。
ミニバスの座席図
ミニバスの基本的な座席図を2つ紹介します。


ミニバスを利用したい場合は事前にバス会社へ確認が必要です。
座席間隔や広さ、座り心地はどんな感じ?

次に、座席間隔や座席の広さ、座り心地について解説します。
大型バス、中型バス、小型バスは全て観光仕様のバスで間隔や座席幅の誤差は2、3㎝ほどです。そのため、造りが大きく異なる観光仕様のバスと送迎仕様のバスの座席を比較していきます。
観光仕様のバス
観光仕様のバスは、その名の通り観光に特化した車輌のため座り心地も良く、長時間の乗車でも車内で快適に過ごせます。まずは、観光仕様のバスがどれだけ快適なのか、座席の大きさや座席間隔を表にしているので見てみましょう。

※あくまで目安です。車輌やメーカーにより異なります。
座席幅約45㎝と言われてもあまりイメージが湧かないかもしれませんが、簡単に言えば新幹線の座席に近いです。座席間隔は成人男性でも窮屈に感じることなく座ることができます。
観光仕様のバスはリクライニングも付いているため、移動中に車内で睡眠を取りたい方に良いです。
補助席は、あくまで補助的な座席であるため、座り心地は良いと言えません。
長時間乗車することが分かっている場合は、経由地で座席を交代するか、乗車人数を正座席の数以内に抑えるようにしましょう。




送迎仕様のバス
送迎仕様のバスは、マイクロバスとミニバスになります。1章のマイクロバスの定員数で紹介したように、送迎仕様のバスは近場での送迎向けで造られているため長距離には不向きです。上と同じく、まずは座席の大きさについて見てみましょう。

※あくまで目安です。車輌やメーカーにより異なります。
送迎仕様と言えども観光仕様に比べて大きく座り心地が変わるわけではありません。ただ、座席間隔や座席幅が若干狭く感じるのが懸念点です。また、リクライニングは基本的に付いていないため、車内で眠るには少し厳しいかもしれません。
近距離の移動や日帰りで観光旅行をする場合には充分快適な座り心地です。
近距離の移動や日帰りで観光旅行をする場合には充分快適な座り心地です。




酔いやすい席、冷房が効きにくい席はあるのか?

酔いやすい席は、タイヤの上部に位置している座席です。タイヤ付近の座席は、ほかの席に比べて若干走行中に振動が伝わりやすいため、前方か真ん中付近の席をオススメします。
冷房に関しては空調が効きやすい席、効きにくい席は基本的にありません。全ての座席の窓際上部に冷房機能が付いているため均等に冷気が行き渡ります。
貸切バスは一般道を長時間走ることはあまりありません。行程にもよりますが、路線バスのように何度も停車するわけでは無いため、減速加速によって車内が揺れ、バス酔いしてしまうということは軽減されるでしょう。
また、貸切バスは路線バスのようなタイヤ部分が車内に突き出したタイプの車輌ではなく、利用者が座りやすいように造られているため振動はほとんど分からないので、安心してください。
バス酔いしやすい方必見!バス酔い回避方法5選
最後にバス酔いしやすい方に回避方法を5つ紹介します。
いろんな方法を試してバス酔いを克服し、バス旅行を思い切り楽しみましょう。
①酔い止めを飲む

1つ目は酔い止めを服用することです。
最近の酔い止めは水無しで溶ける薬や味付きの薬もあるので飲みやすくなっています。酔い止めの多くは服用後30分後に効果が出るため、家を出る前に必ず飲むようにしましょう。
②車内で臭いのきついものを食べない、空腹や満腹は避ける

2つ目は、臭いのきついものを車内で食べないことです。
車内で臭いのきついものを食べてしまうとガソリンの臭いと混じり、吐き気を催してしまいます。バスで酔う原因は、ガソリンなどの臭い、空腹もしくは満腹の状態であること、乗り物の揺れと言われています。
車内で飲食しなくても、酔うことを恐れてほとんど食べ物を口にせず空腹であったり、現地で美味しいグルメを食べ過ぎてしまえば酔いやすくなるので気を付けましょう。
③乗車中は遠くの景色を見たり、窓を開けて外の空気を吸う

3つ目は、遠くの景色を見たり、窓を開けることです。
近くの景色を見ていると風景の入れ替わりが速くなるため目が回ります。それに、バスの揺れが重なり、車酔いを引き起こしてしまいます。なるべく遠くの景色を見るようにしましょう。
何か1つを集中的に見るというよりは、視野を広く持ってリラックスして乗車することでバス酔いを軽減できます。
④乗車中は寝る

4つ目は、乗車中に寝ることです。
乗車中は酔うことへの不安や意識が過敏になり、吐き気を促してしまいます。
眠ることでバス酔いの不安を意識をせず乗車できるので1番簡単な方法です。眠る時はあまりいろんなことに意識しすぎずリラックスして乗車するようにしましょう。
⑤スマホを触ったり、下を向かない

5つ目は、車内でスマホを触ったり長時間下を向かないことです。
目から入ってくる視覚の情報と体の動きがずれると感覚が混乱し、乗り物酔いに繋がります。
そのため、長時間スマホを見たり、下を向いたりしていると吐き気を催す原因となってしまうため気を付けましょう。
まとめ
今回は、貸切バスの座席について細かく解説しました。
車種ごとに定員数や乗り心地が違うことやバス酔いを回避する方法を知り、少しでも貸切バスを利用する時の参考にしてもらえると嬉しいです。
最後に貸切バスの座席について簡単にまとめました。
- 定員数:大型バスは通常53人、中型バスは通常27人、小型バスは通常25人
- 定員数:マイクロバスは通常27人、ミニバスは通常13人
- 観光仕様のバスはリクライニングが付いており、座り心地が良い
- 送迎仕様のバスは近距離の移動なら充分快適に移動できる
貸切バスの座席について詳しく知って、楽しくバス旅行になることを願っています。
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