ロケバスは制作会社にとって欠かせないツールですが、レンタルや手配のやりとりがスムーズにいかないと、スケジュールや予算に影響してしまうため、多くの制作会社が頭を悩ませています。
そこでこの記事では貸切バス専門手配サービスの「バス旅ねっと」が、ロケバスとはそもそもどういうバスであるのかに始まり、レンタルする際の注意点と手配時の工夫まで、ロケバスレンタルに困らないための情報をまるっと1つにまとめて解説しています。ロケバス手配のお助けになれば幸いです。
ロケバスとは?
ロケバスの「ロケ」とは、「ロケーション(Location)」の略です。ロケーションはもともと場所や位置を示す言葉ですが、映画やテレビの撮影をスタジオではなく屋外で行なうことをロケーション撮影、ロケ撮影と呼ぶようになり、ロケクルー・ロケ地・ロケ弁・ロケバスという言葉も生まれました。
ではこのロケバスはなぜ普通のバスと区別して呼ばれるのでしょうか?
ロケバスの用途
それはロケバスの使い方が、一般的な観光バスや送迎バスとは少し違うためです。どのような用途でロケバスが使われているのかを見ていきましょう。
撮影スタッフや機材の移動
ロケバスの主な利用目的は、撮影クルーの人員と機材の輸送です。スケジュールどおりロケをこなすためには、ロケバスにすべて載せて一緒に移動するのが確実だからです。レポーターやタレントなどの演者も一緒に移動するケースも多いでしょう。
ロケハン
ロケ当日だけではなく、ロケ場所を探すためのロケーション・ハンティング「ロケハン」でもロケバスが使われます。スタッフが少なくても機材を持って複数のロケ候補地をめぐるにはロケバスがスムーズですし、CMや映画の撮影では街中から離れたロケ地がチョイスされることが多いため、そもそも公共交通機関ではアクセスできなかったり、当日ロケバスで現地まで行けるかのチェックもできるためです。
出演者の待機場所
ロケ現場では、演者が準備をしたり、本番まで待機できる場所が必要です。ロケバスはメイクバスとしての装備を備えている車両も多く、そのような用途にも重宝します。
移動撮影や接待
旅番組やバラエティ番組では、移動する最中も撮影することがあり、その場合には観光バスタイプの大きめのロケバスが利用されます。観光バスタイプは乗り心地が良いので、スポンサーや大物タレントや事務所幹部など、VIPが参加するロケバスに適しています。
ロケバスの種類
このような使い方をされるロケバスですが、レンタル車両の種類自体は観光バスや送迎バスで使われる貸切バスと同じなので、外側だけでは見分けがつかないでしょう。ロケバスは運転手付き貸切バスとしてチャーターできますが、中継システムが備わっているような大型車両専門業者でないと借りることができません。
マイクロバス
ロケバスで一番多いのがマイクロバスです。車両の造りはシンプルながら、20人ほど乗車できるので、送迎車としても人気です。ロケバス専門会社にある車両は、ロケバス向けに改造された車両が多く、メイク台やハンガーラック・仕切りカーテンがついていたり、ドライヤーやアイロンが使える大容量電源がついていたり、機材積み下ろしの昇降リフト付きカーゴがついていたりと、目的に合わせて利用することができます。
ミニバス
マイクロバスよりひとまわり小さいミニバスも、ロケバスで多い車両です。コミューターサイズのハイエースなどがこのサイズにあたり、9人乗りや13人乗りをベースに、マイクロバス同様に様々な改造が施されています。
中型バス
バラエティ番組などでバスでの移動中も撮影する場合は、観光バスタイプの中型バスや大型バスが利用されます。これらの車両は座席後方をコの字型にレイアウトできるので、向かい合ってワイワイトークをするのに向いています。ロケ参加者のVIP送迎などバスの車内でも快適に過ごしてもらいたい場合にもおすすめです。
ロケバスレンタルの料金相場
特別な使い方のためにロケバスと呼ばれていても、運転手付きでチャーターする車両であるため、料金の計算方法も貸切バスと全く同じです。
ロケバスの料金計算方法
貸切バスの料金は、国土交通省が地方運輸局ごとに基準料金を定めているため、利用するエリアによって料金は異なります。計算には距離単価と時間単価があり、利用内容により細かく料金が変わるため、都度見積りが必要です。
運転手付きロケバスの1日レンタル料金目安
貸切バスの料金は、利用している時間とは別に、車庫からの配車時間や点検整備時間にもかかるため、わずかな時間だけ利用したいという場合にも一定の料金が発生します。車種区分ごとに設定されている1日あたりの料金目安はおおよそ下記のようになります。マイクロバスとミニバスは小型バスに分類されます。
貸切バス車両区分 | 乗車人数(正座席のみ) | 1日あたりの料金目安 |
---|---|---|
大型バス | 45~49名 | 80,000~280,000円 |
中型バス | 27名 | 70,000~240,000円 |
小型バス | 9~21名 | 60,000~200,000円 |
ロケバスレンタルでよく起きるトラブルは?
では実際にロケバスをレンタルする際に、よく起こりがちなトラブルの失敗例と、それを事前に回避した成功例に分けて、どのような事例があるのかを見ていきましょう。
ロケバス失敗事例
制作会社にとって、ロケバスは重要なツールの一つです。しかし、ロケバス手配は、スケジュールと予算内に収めることが難しく、多くの制作会社が失敗を経験しています。
よくある失敗例を順に見ていきましょう。
スケジュール設定を見誤る
運転手付きのロケバスを手配する場合、利用料金は貸切バスのルールとなります。貸切バスは、時間と距離によって料金が決まりますので、ロケ時間や移動距離を正確に把握しないまま概算見積りをとってしまうと、スケジュール確定後に料金が高くなってしまう可能性があります。
隠れコストに気付かず予算オーバー
見積りの内訳はしっかり確認していますか?道中の高速道路料金や駐車場料金は当日現金払いのバス会社も多いため、隠れコストの見落としによる予算オーバーにも注意が必要です。
必要オプションの依頼漏れ
ロケバス会社のバス車両は、ロケバスに特化したオプションが予め付いている場合もありますが、サロンシートや荷室、AC電源・USB電源な通常であればオプション扱いになるものもたくさんあります。車両にどんな設備があるかは事前に確認しておきましょう。
ロケバス成功事例
これらのロケバス手配の失敗を防ぐためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
ツボを押さえたロケ計画
ロケバス手配を始める前に、ロケ内容から移動範囲やスケジュールを明確にしておくことが重要です。さらにバス乗車人数や荷物の量によっては、手配するバス車両のサイズも変わってしまいます。人数が未確定の場合は、可能性のある最大人数で計画しておきましょう。
担当者との密なコミュニケーション
ロケバス会社担当者と密にコミュニケーションを取ることで、トラブルを未然に防ぐことができます。スピーディーな制作現場では、連絡の手数は押さえたいと思いますが、事前確認を怠るとあとでもっと大きな時間ロスが発生してしまいます。当たり前と思うことでも、具体的に要望を伝えましょう。
貸切バス手配サービスを利用
いつも使っているロケバス会社とのやりとりだけであればコミュニケーションを取ることは難しくありませんが、複数のロケ地であったり、複数バス会社を利用しなければいけない場合はどうでしょうか?変更や確認事項が発生する度に、何回も同じ連絡をしなければなりません。バス旅ねっとのような貸切バス手配サービスを利用すれば、その先に何社のバス会社があっても、やりとりはサービス担当者だけで済みます。また駐車場やお弁当など、付随する手配代行も依頼することができ便利です。
ロケバスをスムーズに手配する方法は?
ロケバスをレンタル、手配する方法は複数あるのをご存知ですか?それぞれにはメリット・デメリットを把握しておき、状況に応じて使い分けられるようにしておきましょう。
ロケバス会社の選び方を複数知っておく
ロケバス会社を選ぶ時には、大きく3つの方法があります。それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
ロケバス会社を直接探す
ロケバス専門のバス会社に直接問い合わせる方法です。バスの空きがない場合は一般の貸切バス会社も含めて1件1件探さないといけないでしょう。
メリット | デメリット |
---|---|
・ロケバス専用車両がある ・ロケに慣れているので融通が利く ・費用が安くなりやすい | ・1件ずつ空き確認が必要 ・小さい車両しかない |
一括見積もりサービスを利用する
サービスに登録しているロケバス会社を含む貸切バス会社に一括で見積りをとる方法です。ゼロからバス会社を探す手間は省けますが、その後はバス会社と直接やりとりしなければなりません。
メリット | デメリット |
---|---|
・車両バリエーションが豊富 ・バス会社を探す手間が省ける | ・見積り後はバス会社と直接やりとり |
貸切バス手配サービスを利用する
ロケバスの見積り・空車確認から予約まですべてを依頼できる方法です。必要な連絡はサービスのエージェントだけにすれば済むので、手間が省けます。
メリット | デメリット |
---|---|
・車両バリエーションが豊富 ・バス会社を探す手間が省ける ・複数ロケ地や複数バス会社同時手配もOK ・駐車場の代行手配などサポートが充実 | ・費用が高くなりやすい |
用途にあったロケバス手配手段を知っておく
それぞれにメリット・デメリットがあるので、どの方法がベストかは状況により異なります。以下のようなイメージで考えると良いでしょう。
スケジュールがタイトなので融通を利かせてほしい
ロケバス会社に直接頼みましょう。ロケバス会社は規模が小さいところも多いので、社長さんに直接頼み込めば、無理なお願いも聞いてもらえるかもしれません。
初のロケ地でバス会社を知らない
一括見積りサービスを利用しましょう。個別のやりとりが煩わしかったり、空車が無い場合は、貸切バス手配会社に頼んでみましょう。
規模が大きくVIPなゲストもいる
貸切バス手配会社に頼みましょう。特にバス旅ねっとは提携バス会社数とスタッフのサポート力に自信があります。
トラブルを回避するためにできること
ロケバスを手配する方法は複数ありますが、昨今のバス不足・ドライバー不足の中で工夫できることはどうしても限られてしまいます。
早めに予約する
ロケバスだけでなく、路線バスや貸切バスも含めて、業界全体がドライバー不足となっています。国土交通省が定める貸切バスの料金は2023年10月から全国一律で値上げされており、さらにこれまで設定されていた上限料金が廃止されました。つまり需要の集中する時期は、バス会社が料金を青天井にいくらに設定しても良いのです。ギリギリの予約で足元を見られないためには、できるだけ早く予約するしかありません。
予算を見直す
貸切バス料金は全国一律で値上げとなっているため、コロナ禍でしばらく控えていたロケを再開しようとして、びっくりされた担当者さんも多いかもしれません。コロナ前の予算感では、ロケバス手配が難しいということは企画の前に念頭に置いておきましょう。
企画を見直す
値上げ以上に深刻な問題があります。それは運送業界で話題になることが多い2024年問題です。昨今のドライバー不足から適用が延期されていましたが、ついに2024年4月1日からドライバーの残業可能時間も短くなってしまいます。トラックドライバー同様にバスドライバーは業務性質上、拘束時間が長くなりがちなのですが、法令遵守を考えると、これまでなんとか融通を利かせて対応してくれていたバス会社さんも、料金が上がったり、ドライバーを確保できなかったりということが起こるでしょう。特に深夜・早朝のロケなどでのドライバー確保は難しいかもしれませんので、企画の段階から見直す必要もあるかもしれませんね。
ロケバスは制作会社にとって重要なツールですが、スムーズな手配は難しいものです。さらに昨今の深刻なバス不足に加えて2024年問題も影響し、苦労することも多いでしょう。この記事で紹介したポイントから、ロケバス手配について色々と考えてみてください。
バス旅ねっとにはご協力いただいているロケバス会社も多く、テレビ局や広告代理店からの直接のロケ案件も多数承っております。制作会社さんの場合は、スケジュール感や予算感がなかなか合わないかもしれませんが、絶対にバスを手配しなければいけないが、どうしても見つからないという場合には、最後の頼みの綱としてご相談ください。同業他社さんにどこも満車で断られたという方に、バス旅ねっとでバスを見つけたという事例は多くあります。諦める前にバス旅ねっと!覚えていただけると幸いです。スケジュールが決まられている場合はお見積りフォームからのお問い合わせがスムーズです。