団体で移動する場合、普通車数台に分かれて乗車するよりも観光バスや送迎バスなど大きな車両1台に全員が乗れると便利ですよね。でも大きなバスをレンタルするには、自分で運転するレンタカーとして借りることができるのか、運転手付きでチャーターする方法しかないのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。実際、バス車両には種類があり、車両のみでレンタル利用できるものとできないものがあります。
この記事では貸切バス手配サービスの「バス旅ねっと」が、レンタルバスのルールやメリット・デメリット、利用の注意点や料金について網羅的に解説いたしますので、団体での移動方法の検討にお役立てください。
Contents
レンタルバスとはどんなバス?
バスを借りること全般がレンタカーのバス版という意味で「レンタルバス」と呼ばれているため、広義では「チャーターバス」「貸切バス」と同じ意味で使われていますが、狭義では意味合いが違ってきます。まずはそもそもレンタルバスがどんなバスなのかを確認しておきましょう。
運転手なしがレンタルバス

レンタルとは一時的な使用のために何かを貸し出すことを意味します。レンタカーやキャンプ場でのアウトドア用品レンタル、スキー場でのスキー用具レンタルなどがわかりやすいですね。
そのためレンタルバスとは運転手がいない状態のバス車両のみの貸し出しを指しており、利用者自身が運転するバスのことを意味します。
運転手付きがチャーターバス

チャーターとは一定の間何かを占有して貸し切ることを意味します。プライベートジェットやヨットなど乗り物のチャーターや、荷物を運ぶ際にトラックを専属輸送するチャーター便などがあります。
そのためチャーターバスとは専属ドライバーとともにバス車両を貸し切ることを指しており、貸切バスと同じ意味です。
とはいえ一般的にはバスを借りることを総称して「レンタルバス」と呼ぶことが多いため、レンタルバス・チャーターバス・貸切バスは基本的に同じものと考えて支障はないでしょう。
運転手なしでレンタルできるバスの種類は?
バス車両のみをレンタルする場合は、普通車と同様にレンタカー店で行ないますが、レンタカーとして使用できる車両は、道路運送法や自家用自動車有償貸渡しの許可基準に、「自家用マイクロバス(乗車定員29人以下、車両全長7m未満のもの)」と規定されています。
貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて
2.許可に対する条件
(3)貸渡自動車の車種は以下の車種区分によることとし、自家用バス(乗車定員30人以上又は車両長が7mを超える車両に限る。)及び霊柩車の貸渡しを行ってはならない。
ア 自家用乗用車
イ 自家用マイクロバス(乗車定員11人以上29人以下であり、かつ、車両長が7m以下の車両に限る。以下同じ。)
ウ 自家用貨物自動車
エ 特種用途自動車
オ 二輪車
引用元:国土交通省 自旅第138号
レンタルできるのはマイクロバスまで

この規定により、運転席と補助席を含めると25~29人乗りが一般的なマイクロバスはレンタル可能です。
ただし普通免許や準中型免許では運転できず、中型免許以上が必要となります。
大型バスと中型バスはレンタルできない
小型バスはレンタルできるが・・・

小型の観光バスであればレンタルは可能ですが、製造が終了していることもあり取り扱う会社はほとんどありません。貸し出しの条件として、大型免許または中型限定解除を取得してから2年以上経過している方に限定している場合もあるようです。
レンタルバスのメリット・デメリット比較
マイクロバスやさらに小さなハイエースコミューターなどのミニバスはレンタカー店で借りる事ができますが、運転手付きの貸し切りチャーターバスとどのような違いがあるかを比較してみましょう。
貸切バスはプロドライバーに運転を任せられるので、ラクで安全であることがメリットです。その反面貸切バスは安全のために厳しい法令ルールが設けられており、事前に行程やルートを決めておかなければいけないなどの制約があります。行き先が決まっていない自由旅には、自分たちで運転するレンタカーの方がいいですね。
運転手なしレンタルバス | 運転手付きチャーターバス | |
---|---|---|
集合 | ✕ 店舗に行って手続き 集合場所まで移動が必要 | ◯ 集合場所までバスがお迎え 全員で一緒に移動できる |
運転 | ✕ 中型免許以上が必要 運転担当はお酒を飲めない | ◯ プロドライバーで安全 全員お酒を飲める |
リスク | △ 保険オプションはあるが 自己負担が発生するケースも | ◯ バス会社の保険があり 旅行保険加入も可能 |
行き先 | ◯ 事前に決める必要がない 経路も目的地も自由 | △ 事前設定する行程通りの運行 設定する経路は自由 |
時間 | △ スケジュールは自由だが 返却時間がシビア | △ 運行スケジュールがシビアだが 進行はスムーズ |
解散 | ✕ 借りた店舗に戻って返却 マイクロバスは乗り捨て不可 | ◯ 集合時と違う場所も可能 割高だが片道送迎も可能 |
レンタルバスの注意点
白ナンバー自家用車としてマイクロバスをレンタルした場合は、乗車メンバーから運賃を徴収したり、有償でドライバーを雇うと、”白バス行為”という違法行為になってしまいます。バスのサイズに関わらず、大型二種免許保持ドライバーと緑ナンバーの営業車で許可を得た「一般貸切旅客自動車運送事業」の貸切バスを利用するのが安心です。
レンタルバスの料金比較

プロのドライバーが付いた貸切バスは、車両のみのレンタルバスとどれぐらい料金が違うのでしょうか?費用についても比較してみましょう。わかりやすいように20名で6時間100km利用と仮定しています。
レンタカー (マイクロバス1台) | レンタカー (7人乗り3台) | 貸切バス (マイクロバス1台) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 28,000~32,000円 | 14,000~17,000円×3台 | 55,000~80,000円 |
ガソリン代 | 2,000円 | 1,500円×3台 | 含む |
保険代 | 3,000円 | 3,000円×3台 | 含む |
高速・駐車場代 | 別料金 | 別料金 | 別料金 |
1人あたり料金 | 1,650~1,850円 | 2,775~3,225円 | 2,750~4,000円 |
マイクロバスのレンタルが一番安い
同じマイクロバス1台を比較すると、ドライバーの人件費がいらない分、貸切バスよりもレンタカーの方が当然安くなります。貸切バスにガソリン代や車両保険代が含まれているとはいえ、その差は埋まらないでしょう。
普通免許で乗れるサイズのレンタカーを複数台借りる場合は、貸切バスのマイクロバス1台と大きく料金は変わらないですね。中型免許以上を持っておらず大人数で移動する場合は貸切バスを検討しましょう。
レンタカーゆえにかかる費用もある
レンタカーの場合は営業所への返却が必要なので、早朝利用では前日からのレンタル、帰りが営業時間外になるなら翌日までのレンタルと、実際の利用料金はもっと増えてしまう可能性があります。
またトラブル時に免責金を支払わなければいけないケースを考えると、運転手付きの貸切バスの方がよかった、ということになるかもしれません。
レンタカー利用の注意点
慣れない大きな車両を運転することによるリスクも考慮しましょう。実際のコストが大きく変わらないのであれば、プロドライバーに任せるという安心感はお金には変えられませんよね。
またマイクロバスをレンタカーとして取り扱っている会社は少ないため、レンタカーの営業所が出発場所から遠方の場合は、容易に利用することができない場合があります。
レンタル料金だけでなく、実際の利用内容に照らし合わせた上で、どちらがマッチしているのか検討してみてください。
レンタルバスのよくある質問/Q&A
その他にレンタルバスについて知りたい方が、疑問に感じることが多いよくある質問を、いくつか挙げてみました。バス利用の参考になれば幸いです。
レンタルバスのキャンセル料はどれくらいかかりますか?
レンタカーとして普通車をレンタルする場合のキャンセル料は、レンタカー会社により若干異なりますが、ほとんどが当日キャンセルでも基本料金の50%です。マイクロバスの場合は無料キャンセル受付期間が短かったり、普通車とは異なる設定になっている場合が多いので、利用する店舗で確認しておきましょう。
運転手付きの貸切バスは、レンタカーより無料キャンセル受付期間が短く、当日キャンセルのキャンセル料は100%です。細かい内容はバス会社や利用サービスによって異なるのでよく確認しておきましょう。
レンタルバスに必要な手続きはなんですか?
レンタカーとして運転手なしのバスを借りる場合は、運転者の免許証やクレジットカード・身分証明書などが必要で、契約者と運転者は一致していなければいけません。また対価を受け取って他者を送迎してはいけません。
運転手付きの貸切バスは、連絡可能な携帯電話番号と事前支払いだけ済ませれば身分証明書提示などは必要ありません。
レンタルバスは当日延長できますか?
利用日当日の延長は、レンタカーの場合出発店舗に連絡し許可が出れば可能なことが多いでしょう。無断延長は違約金が発生します。
運転手付きの貸切バスは、基本的に事前に作成した運行指示書通りの運行しなければならないことが義務付けられています。当日不慮のアクシデントなどで延長を希望する場合は直接バス会社に相談してみましょう。
レンタルバスのまとめ
レンタルバスは運転手の有無で利用すべきサービスが異なることがおわかりいただけたと思います。観光バスタイプの大型バスや中型バスは、自家用の白ナンバーで走行することができないため、中型免許以上を持っていたとしても運転手付きの貸切バスサービスを利用しなければいけません。マイクロバスの場合は中型以上の免許を持っていれば、レンタカーと貸切バスの選択肢から選ぶことができます。利用料金や安全面などを考慮し、どちらを利用するかを検討しましょう。
バス旅ねっとは全国に業界最大級の提携バス会社を持つ貸切バス手配サービスです。個人利用から学校・法人利用まで幅広い実績が豊富です。ご利用状況にマッチするバスの使い方をご提案させていただきますので、お気軽にご相談ください。具体的なスケジュールが決まられている場合は、お見積りフォームからのお問い合わせがスムーズです。