団体での移動に便利な貸切バスには、車両に備わっている無料設備がたくさんあります。レジャー利用で移動時間を楽しく過ごしたい方、ビジネス利用で移動時間を有効に活用したい方、貸切バスは様々な用途に対応可能です。
この記事では、貸切バス手配サービスの「バス旅ねっと」が、それぞれの設備詳細と、車種ごとの設備の違いについて、詳しく解説していますので、貸切バスの利用検討にお役立てください。
Contents
貸切バスの設備を紹介
まず貸切バスの設備には、車両に標準装備されている無料設備と、オプション利用の追加料金が発生する有料設備があります。一般的に「設備」とは無料設備のことを指し、この記事では無料設備の内容だけご紹介します。
有料設備は「オプション」と呼ばれ、例えばトイレ付き・リフト付き・サロンタイプなどがあります。貸切バスのオプションに関する詳しい解説は下記の記事にありますので、合わせてご覧ください。
各設備について詳しく解説
それではそれぞれの設備の詳しい内容を見ていきましょう。
リクライニング
観光バスの座席にはリクライニング機能が付いており、長距離でも体への負担無く楽に移動できます。リクライニング操作レバーの場所はメーカー・車種によって異なりますが、ほとんどが座面の外側に付いています。
新幹線や高速バスだといろんな人が利用するため、座席を倒す場合は後ろの乗客に声をかけるのがマナーですし、許可をもらったとしても気を遣ってあまり角度を変えられないという方もいるのではないでしょうか。座席数の多いバスにぎっしり乗るバスツアーでは、トラブルを避けるためにリクライニング禁止になっていることも多いそうです。貸切バスは自分たちのだけの空間なので、比較的気を遣わずに座席を倒しやすいのがいいですね。
リクライニングに加えてゆったり座りたいと考えている方にお伝えしておきたいことが座席間隔です。リクライニング機能が付いているとはいえ、座席と座席の間隔が狭いと圧迫感があり、あまりゆったりと座ることができません。例えば全長12mの大型バスの種類には、12列タイプと11列タイプの座席レイアウトがあり、12列タイプは補助席まで使うと最大60人乗車できますが、座席間隔が狭いので、大人がフルに乗るとリクライニングも使いにくいでしょう。逆に全長9mの中型バスは、ほとんどが7列で補助席なしの27人乗りなので、大人でもゆったり乗ることができます。
貸切バスのシートに関する詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。
冷蔵庫
貸切バスの冷蔵庫は保冷庫のようなイメージで、冷凍機能はありません。常温の状態から冷やそうとすると2~3時間かかるため、予め冷やした状態の飲み物など持ち込むのがおすすめです。
またエンジンを切った状態では冷蔵機能も停止してしまうので、途中で長時間停車する予定の場合は、保冷剤や氷を入れた発泡スチロールなどを準備しておくとも良いかもしれません。そのため腐敗する可能性のあるナマモノを入れるのは避けましょう。バス会社によっては飲み物しか入れてはいけないルールになっている場合もあります。BBQやお花見などで食料品がある場合は、クーラーボックスで運びましょう。
冷蔵庫の場所は最前列の左側に設置されている車両が多く、容量はバス車種によって異なります。目安としては、小型バスで350mlの缶ビールが1ケース24本程度、中型バスと大型バスの場合は350mlの缶ビールが1~2ケースで24~48本程度になります。
湯沸かしポット
冷蔵庫とセットで設置されていることが多いのが、湯沸かしポット(湯沸器)です。容量は車種により異なりますが、7リットルほどのお湯を沸かすことができます。冷たい飲み物だけでなく温かい飲みものも飲むことができるのは、冬場の観光や早朝に出発するスキーやスノボーなどでありがたいですね。お茶パックやインスタントコーヒー・インスタントスープを用意しておきましょう。
また湯沸かしポットが重宝するシーンは、バス車内の宴会です。ビールや水割りだけでなく、お湯割りというレパートリーも増えるので、お酒好きには嬉しい設備ではないでしょうか。
マイク
貸切バスのマイクは運転席の近くにあるマイクと、バス車内の天井付近に接続して使用する有線式のマイクの2種類があります。
運転席近くのマイクは通常とは異なり、ガイドがよく使っているガイドマイクになります。車内前方で使用したい場合は、このタイプのマイクを使用します。接続などをする必要が無いのでスムーズに使用することができます。
有線式のマイクはカラオケのマイクのような通常タイプになります。有線式のマイクを使う場合は移動中に車内で立ち上がって接続するのは危険なので出発前に準備しておくか、乗車後すぐ使用できるようにバス会社に準備してもらうと良いでしょう。また、マイクの接続場所は車内前方、中央、後方の3箇所となります。複数本マイクを使用したい場合は、何本使用が可能なのかバス会社へ確認しておきましょう。
近年では無線式のマイクを導入しているバス会社もあります。無線式マイクの車両を利用できるとラッキーですね。
テレビモニター
貸切バスにはテレビモニターが設置されていますが、前席用と後席用の2台がある車両と、1台のみの車両があります。大きさも様々で薄型の大液晶モニターを設置しているバスもあれば、古めの液晶のバスもあります。地デジに完全移行したのは2011年なのでほとんどの貸切バス車両は地デジに対応していますが、小型バスのように10年以上前に製造が終了している古い車両の場合は、地デジ未対応で地上波テレビを見ることができない可能性があります。
テレビモニターに研修映像などを流したい場合、パソコンをつなぐこともできますが、接触不良などが起きる可能性があるため、あまりおすすめではありません。プレゼン資料などどうしてもパソコン接続が必要な場合は当日利用するバスでの接続チェックをした方が良いでしょう。一番安全なのは、DVDのディスクにプレーヤーで再生できる形式で焼いて持ち込む方法です。
CD/DVD(ビデオ)
観光バスにはCD/DVD(ビデオ)再生機器が設置されています。子供の頃に遠足で子供向け映画を観た記憶がある方も多いのではないでしょうか?
ですが残念ながら皆さんが購入した市販の作品やレンタルした作品は、著作権により車内で流すことができません。これらが視聴できるのは「個人的または家庭内など限られた範囲内」と定められており、たくさんの乗客に向けて映画や音楽を再生することは、この範囲を越えてしまうのです。DVD・CDに限らず、iPodやiPhoneに入っている楽曲をスピーカーで流すことも同じ理由でNGです。
では子供の頃にバスで観たDVD映画は何だったのかというと、バス会社が車内で上映する許可を得て所有している業務用DVDです。これなら著作権の法律をクリアしていますので、移動中に映画やアニメを観たい場合はどのような作品があるのかバス会社に確認してみてください。
もし持ち込んだ作品をバス車内で流していることが著作権管理団体に発覚すると、バス会社側が責任を負い著作権料の支払いなどを課されてしまいますのでルールはしっかり守りましょう。
なお著作権的に問題のない、皆さんが個人的に作成したオリジナル映像などであれば車内で流すことができるのですが、DVDプレーヤーでなくパソコンでしか再生できない形式など、バスの再生機器では認識できない場合もありますのでご注意ください。
カラオケ
観光バスにはテレビモニターとマイクを使用するカラオケ機器が設置されています。接続チェック・セットアップ・操作説明が必要になるため当日急に使用することはできません。必ず事前にカラオケを使いたい旨をバス会社に伝えておきましょう。
現在一般的なカラオケ店ではパッドで曲を検索して予約するデジタルタイプが主流ですが、一昔前は歌本で番号を探してリモコンで曲番号を入力して予約するアナログタイプが主流でした。貸切バスに搭載されているカラオケはほとんどが昔ながらのアナログタイプなので、残念ながら流行りの最新曲を歌うことはできません。バス会社によってはデジタルタイプを導入していたり、新曲を追加している場合もありますので気になる場合は確認してみてください。幅広い年齢層が知っているメジャーな曲はたくさん入っていますので、みんなで盛り上がりましょう。
なお車種によりテレビモニターの数が違うため、座席によっては歌詞が見えにくい場合があります。そんな時はスマホで歌詞を検索してみてはいかがでしょうか。
ビンゴゲーム
観光バスのカラオケ機器にはビンゴゲームの機能が備わっているので、車内でビンゴ大会を楽しむことができます。使用方法はカラオケと同様で、リモコンで操作した内容がテレビモニターに表示されます。ビンゴゲーム画面でルーレットが回転してランダムな数字を表示されると、音声の読み上げもあるのでなかなか本格的ですよ。
数字が出たらビンゴカードの該当する数字を開けていくのですが、ビンゴカード自体は利用者が準備する必要があります。100円ショップなどで売っており入手は簡単ですのでご安心ください。合わせて準備しておきたいのがビンゴの景品です。景品によって盛り上がり度も変わりますので、豪華なものや流行りのもの、面白ネタなど工夫を凝らしましょう。
トランク
貸切バスには座席フロアとは別に荷室トランクが備わっており、容量は車種によって異なります。車種別に積める荷物の目安を下の表で簡単にまとめましたが、定員いっぱいまで乗車すると全員の荷物が乗らないことが多いので、荷物が多いことがわかっている場合はワンサイズ大きめの車両を選択するか、台数を増やしましょう。
下記の記事ではトランクの容量だけでなく、使用する際の注意点や荷物が積みきれない時の対処方法などを解説しているので合わせてご覧ください。
ETC車載器
貸切バスの料金には高速道路料金は含まれていません。理由は当日の道路状況により多少の経路変更が発生する可能性があるためで、基本的にはバス運転手と現地精算のやりとりとなります。この現金でのやりとりが煩わしいという場合に便利なのがETCです。
貸切バスのETCはバス専用というわけではなく、自家用車と同じような車載器がついており、皆さんが普段使用しているETCカードを貸切バスで利用することもできます。
ただし一部の古いバス車両ではETC車載器がなかったり、バス会社専用のETCカードを備え付けており入れ替えができないという場合もあります。そのため自分のETCカードを持ち込みたい旨は、事前にバス会社に確認しておきましょう。
車種別に設備の有無を解説
貸切バスには5つの車種があり、備わっている設備が異なります。さらに5つの車種は、観光仕様タイプと送迎仕様タイプの2つに分けられますので、タイプ別にどんな設備が付いているのかを順番に解説していきます。
観光バスタイプ<大型バス/中型バス/小型バス>
観光バスタイプに分類されるのは、大型バス、中型バス、小型バスとなります。観光バスには今回ご紹介した設備は基本的にすべて備わっており、大きさだけが異なるイメージです。長時間でもゆったり快適に過ごせる造りになっているため、その名の通り観光や旅行に適していますが、空港送迎や視察など近距離でも大切なゲストを送迎する際にも重宝します。
※△の設備についてはバス会社が所有している車両によって異なるので確認が必要です。
送迎バスタイプ<マイクロバス/ミニバス>
送迎バスに分類されるのは、マイクロバス、ミニバスとなります。送迎バスには今回ご紹介した設備がほとんどついておらず、マイクロバスの一部車両のみ対応している場合があります。無駄を省いたコンパクトな造りのため費用は安価ですが長距離利用には適しません。冠婚葬祭のように身内や親しい人物だけで乗車する短距離利用や、市街地の店舗の巡回視察など小回りが利いてほしい時に向いています。
※△の設備についてはバス会社が所有している車両によって異なるので確認が必要です。
貸切バスの設備まとめ
今回ご紹介した貸切バスの無料設備のポイントを表にまとめました。バス車内でより快適に楽しく移動するなら送迎仕様のバスではなく、紹介した設備が豊富に備わっている観光仕様のバスがオススメです。皆さんの利用目的に合わせて存分に貸切バスを活用してください。
設備 | 特徴 |
---|---|
リクライニング | ・座面横のレバーで好きな角度に倒せる ・座席間隔が広い中型バスでの利用がおすすめ |
冷蔵庫 | ・保冷庫に近いので冷えた状態で持ち込みが良い ・中型、大型バスの容量は350ml缶24~48本程度 |
湯沸かしポット | ・7リットルほどのお湯を沸かすことができる ・インスタントの飲み物やお湯割りが楽しめる |
マイク | ・マイクには種類がある(ガイドマイク、有線、無線) ・車種により種類や本数は異なるので要確認 |
テレビモニター | ・ほとんどが地デジ対応になっている ・パソコンはつながるがDVDの方が確実 |
CD/DVD(ビデオ) | ・市販品、レンタル作品は再生NG ・バス会社所有、オリジナル作品はOK(形式は要確認) |
カラオケ | ・歌本とリモコンで操作するタイプが主流 ・最新の曲は入っていないことが多い |
ビンゴゲーム | ・ビンゴの数字がテレビモニターに表示される ・ビンゴカードと景品は準備する必要あり |
トランク | ・荷物が多い場合は人数が少なくても大型バスがよい ・小さな荷室のあるマイクロバスも存在する |
ETC車載器 | ・当日支払いをスムーズにしたい場合におすすめ ・ETCカード持ち込みは事前申請が必要 |
貸切バス手配サービスの「バス旅ねっと」は、全国の提携バス会社ネットワークにより、お客様とバス会社の間に立ってバス手配を行っています。お客様がバス会社1件1件に直接空車確認をしたり、設備について質問するのは手間ですが、バス旅ねっとにご依頼いただければ、ご要望に沿った貸切バスを手配することが可能です。
希少な設備やオプションの対応車両については手配が難しい場合がございますので、お早めのご予約をおすすめいたします。まずはお見積りフォームよりご要望をお聞かせくださいませ。