路線バスや貸切バスの領収書のもらい方は?領収書がない場合はどうすればいい?

交通費の領収書のもらい方

会社勤めをしているとなにかと出てくるのが社内の経費申請です。特に交通費の経費精算は事前に会社から支払われている定期券外のエリアを移動した際に必要になってきますね。

出張などで遠方へ行く際に新幹線や高速バスを利用したり、取引先などのお客様と移動する際にはタクシーを利用したり。そのような場合に領収書を発行してもらうイメージは湧きますし、最近普及しているスマホアプリではアプリ内で領収書が発行できたりしますよね。

でも路線バスの場合はどうなんでしょう?運転手さんに言えば領収書がもらえるんでしょうか?

今回は貸切バス専門のバス旅ねっとが、交通費にかかわる領収書のもらい方について、網羅的に解説していきます。また会社勤めの方以外で、フリーランスなど個人事業主の方も必見の、交通費の経費処理の仕方、勘定科目が何になるのかについても、合わせて解説しますよ。

そもそも交通費の領収書って必要?

業務上で必要になる交通費には、通勤から営業訪問など、色々なものがありますよね。でも交通費の領収書は必ず必要というわけではありません。
まず法律上のルールを見てみましょう。消費税法では”3万円未満は領収書がなくても仕入れ税額控除が認められる”となっており、2023年10月から始まるインボイス制度においても、公共交通機関の運賃について下記のとおりは、領収書の保存義務はありません。

(公共交通機関特例の対象となる運賃及び料金の範囲)

3-10令第70条の9第2項第1号イからニまで《適格請求書の交付を免除する課税資産の譲渡等の範囲等》に掲げる旅客の運送には、旅客の運送に直接的に附帯するものとして収受する特別急行料金、急行料金、寝台料金等を対価とする役務の提供は含まれるが、旅客の運送に直接的に附帯するものではない入場料金、手回品料金、貨物留置料金等を対価とする役務の提供は、含まれないことに留意する。

国税庁:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関する取扱通達の制定について

とはいえ3万円に満たない経費だったとしても、新幹線利用時などは社内規定で領収書の提出を義務付けている場合が多くなっています。なぜ領収書が必要な時と不要な時があるのか、もう少し詳しく見ていきましょう。

公共交通機関の領収書は必要?

電車切符の券売機

普通電車や路線バスなどの公共交通機関は、予め運賃が定められていますので、利用の都度料金を確認しなくても、料金を算出することができます。
そのため社内規定でも、交通費精算書や出金伝票の提出だけで経費申請ができるようにしていることがほとんどです。ただし書面では「日付・金額・交通機関・区間経路・訪問先・目的」が明確になっていないといけません。
新幹線のように、時期や購入手段によって料金が変わる場合は、実際に利用した金額を確認する意味もあって、経費申請時に領収書の添付を義務付けてことが多いのです。

旅行会社との会社間取引で領収書は必要?

旅行会社

会社員個人ではなく、社員旅行や研修旅行など会社で利用した交通費はどのようになるのでしょうか?新幹線の場合はみどりの窓口で団体割引を申し込めるので、その際に一緒に領収書を発行してもらうことは容易でしょう。
飛行機や貸切バスを団体利用する場合は、旅行会社に手配を依頼するケースがほとんどと思われますので、会社間の取引になりますよね。そうなれば旅行会社から明細入りの請求書が発行され、請求書に基づいて支払いが行なわれるので、基本的に領収書がなくても、請求書のみで経費計上は可能です。

領収書が必要なのはどんなケース?

このように3万円未満かつ運賃が定められているものは、領収書なしのケースが多いことがわかりましたが、交通費で領収書が必要になる場合はどんな時でしょうか?例えばこんなケースです。

社員から会社への経費申請で必要な時

近距離の移動の場合は通勤定期の範囲内で収まるケースが多く、会社から定期代が支給されている場合は、別途請求をしないものと規定している会社がほとんどです。ですがそれを照らし合わせることには手間がかかることから、自己申請の交通費精算書や出金伝票は、多少の不正があったとしてもスルーされかねません。逆に言うと本当に交通費を定期外で支払ったのであれば、領収書のように客観的証拠があった方が堂々と申請できるでしょう。そのため自主的に会社へ領収書を提出するというケースがあると考えられます。

就職活動などで訪問先から交通費が支給される時

自分が勤めている会社からではなく、訪問先企業から交通費が支給される場合があります。例えば就活生が新卒採用をしている企業へ面接に行った際などです。かかった交通費に関わらず一定金額を一律支給してもらえるのであれば領収書は不要ですが、実費支給の場合には領収書の提出が求められる場合がほとんどです。

社内プロジェクトなどで予算管理が必要な時

規模が大きな企業が部署やチームでプロジェクトを動かす場合、プロジェクトに関わるすべての費用を1つの予算やコストとして計上したいため、少額の交通費に至るまですべて管理することがあります。
規模の小さな企業では、請求から支払いまでの流れがある程度把握しやすいですが、規模の大きな会社でプロジェクトリーダーにある程度の決裁権がある場合、実際には発生していない費用を経費計上するといった不正も起きかねません。社員個人が現金精算する交通費は特に客観的証拠が残りにくいので、不正防止の観点と把握のしやすさやから領収書で管理するのでしょう。

個人事業主が確定申告をする時

青色申告・白色申告いずれの場合も領収書を税務署に提出する必要はありませんが、その保管義務はあり、確かにその支払いが生じたという証明にもなります。個人事業主の場合は、出金伝票を切るより領収書をもらったり、ICカードの利用履歴を保存しておく方が、プライベートとの区別をつけるためにもよいでしょう。

交通費の領収書のもらい方

ここまでで見てきたように、基本的には交通費は領収書がなくてもOKですが、状況により領収書を発行してもらった方が良いケースがあることがわかりました。ここからは実際の領収書の発行の仕方やもらい方について見ていきましょう。

どんな交通費でも、領収書発行について共通している前提は、お金を支払うタイミングで、支払った場所で発行してもらう、ということになります。

ICカードにチャージした場合の領収書はどうなる?

ICカード利用の場合

SuicaやICOCAなどのICカードにお金をチャージした場合の領収書や経費処理はどうなるのでしょうか?
前述の前提で考えると、チャージした金額の領収書が、チャージした券売機で発行されるということになるでしょう。そうです確かに領収書はこのタイミングで発行されるのですが、経費の処理としては1つ問題があります。それはチャージ=運賃発生ではないということです。経費で処理できるものは、業務に使用したと目的が確認になっているものです。チャージはお金が現金からデジタルに移動しただけで、業務上に使用したことにはならないですよね。
ICカードにチャージしてから利用した交通費の経費精算で必要なのは、領収書ではなくICカードの利用履歴です。利用履歴はICカードのアプリやブラウザからの参照、自動券売機での印字で発行できます。参照可能な履歴数はICカードにより異なりますのでご注意ください。
また交通機関によっては、運賃が発生したタイミングで「ICカード利用」とする利用運賃の領収書を発行できるそうなので、必要な場合は相談してみましょう。

路線バスや電車の領収書のもらい方

切符購入の場合

ICカードや定期を利用しない場合、電車の切符は自動券売機で購入しますので、領収書ボタンを押して切符と一緒に領収書を発行できるケースがほとんどです。購入時に領収書の発行を忘れても、切符を持って改札窓口などで駅員さんにお願いすれば、領収書を出してもらえますよ。
一番気になるのは、路線バスのように降りる時に現金の支払いをする場合ですが、この時も運転手さんにお願いすれば領収書を出してもらえます。
ただし電車・バスともに混雑時のダイヤへの影響など、やむを得ない理由によって交通機関側が領収書の発行を拒否する場合も存在しますので、必ずもらえるというわけではありません。後日対応や郵送対応をしている交通機関もありますが、対応は交通会社によって異なるので、利用した交通機関に直接確認しましょう。

高速バスや新幹線の領収書のもらい方

新幹線チケット購入の場合

利用の当日に現地で乗車券を購入する場合は、窓口で係員にお願いすれば領収書を発行してもらえるでしょう。長距離移動の多い高速バスや新幹線は事前にスケジュールがわかることも多いので、ネット予約をする場合もあるでしょう。ネット上で予約だけして購入決済は窓口で行う場合には、窓口購入と同じく窓口で、コンビニ決済の場合はコンビニ店頭で領収書を発行してもらいましょう。クレジット決済などの場合は予約購入したWebサービス上で領収書を発行する形になります。

貸切バスの領収書のもらい方

貸切バスの領収書

貸切バスを利用する場合は旅行会社を通しているか、バス会社に直接依頼するかのどちらかと思いますので、領収書は支払いが完了したあとに、手配を依頼した会社に発行してもらいましょう。
ここで1つ注意点があります。それは貸切バス利用時に発生する費用は、バスのチャーター料金以外にもあり、領収書が発行できるタイミングと場所が異なることです。

バス旅ねっとの場合で説明します。貸切バスチャーター料金以外の費用には①有料道路・高速道路料金、②現地でのバス駐車場代、③現地でのバス乗務員宿泊代、④フェリー航送運賃の4つがあります。
①②はバス利用当日にドライバーへの現金精算となりますが、領収書が必要な場合は出発時にバス会社より発行しなければならず、ドライバーが持参しますので事前にお申し付けください。③④は基本的にお客様側で手配と支払いを行っていただくものなので、支払ったタイミングと場所で領収書を発行してもらってください。

ですが実際には、バラバラに領収書が出たり、現地で費用が発生してしまうと困る場合がありますよね?例えば部活遠征などで事前に参加費を集める必要があって総額を明記してほしい場合。空港送迎などで依頼者はバスに乗らずゲストのみが乗車する場合などです。
そのような場合バス旅ねっとでは、①有料道路・高速道路料金と②駐車場代を含めた合算請求を承っております。③ホテル④フェリーの利用がある場合には、代行手配と合わせて合算することも可能です。
貸切バス専門のバス旅ねっとだからこそ、幹事様に寄り添った対応をさせていただきますので、小さなご要望もお気軽にご相談くださいね。

領収書をもらい忘れた場合はどうすればいい?

交通費が支払ったタイミングで、支払った場所でもらうべき領収書を、その場でもらい忘れてしまった時はどうすればよいのでしょうか?

少額であれば交通費精算書や出金伝票で済む場合も

特急料金ではない普通電車やバスでの移動であれば、領収書がなくても交通費精算書や出金伝票に交通費が発生した日時・経路・目的などを明記すれば、ほとんどの場合は問題ないでしょう。
ただし前述のとおり就活などの訪問先で、領収書と引き換えに現金をもらうような場合には、少額でも領収書は必要でしょう。

予約履歴や利用履歴を参照しよう

新幹線など運賃が一定でないものは特に、実際の支払った料金がいくらであるかの証明は必要であり、3万円以上の場合には法的に領収書が必須となります。3万円未満の場合で予約サイトやICカードを利用した場合には、利用したサービス上で予約履歴や利用履歴を発行して添付すれば社内ルール的にはOKとなるかもしれません。クレジットカーで支払いをした場合には、クレジットカードの利用明細添付を求められる場合もあります。

領収書の再発行は基本的にできない

領収書というものは、確かにその金額を受領しましたという証憑なので、基本的に1回の取引に対して1枚の領収書が対になります。もし1回の取引に複数の領収書が存在してしまうと、不正な経費計上に使われてしまうかもしれないので、ほとんどの企業は領収書の再発行を認めていません。
「領収書を紛失してしまった」「領収書を忘れてしまった」と再発行や後日発行をお願いしても、本当にそうなのか領収書発行側は確認する手段がないので、再発行はできないものと認識しておきましょう。

移動に関わる経費は全部「旅費交通費」なの?

さてここからは、交通費を経理処理する際の簿記についてのお話です。使ったお金を事業経費として計上するためには「勘定科目」という経費を使った目的を示す名目が必要になります。同じ内容の経費をタイミングによって違う勘定科目で計上してしまうと、正しい税金計算や業績管理ができなくなってしまうので、一定のルールの元で運用しましょう。
交通費となると1番に思い浮かぶのは「旅費交通費」と呼ばれる勘定科目ですね。この勘定科目は業務上で移動が生じた場合にかかる費用全般を指しますので、交通費はもちろん宿泊費や出張手当なども含まれます。このように勘定科目を選ぶ根拠は、お金を支払った内容ではなく”使用目的”です。交通費という内容でも、使用目的によって勘定科目が変わるのです。実際の例を見てみましょう。

ケース1:取引先の送迎に貸切バスやタクシーを利用した場合

接待送迎

取引先をもてなすためにタクシーを使ったり、工場視察などで取引先用の送迎バスを手配した場合。これらの目的は”接待”にあたりますので、勘定科目は「接待交際費」となります。

当日どのようなルートでどれだけの時間かかるかがわからないタクシーは、料金がいくらになるかわからないため担当者の現金立替が必要になるケースが多いですが、事前にルートがわかっていれば貸切バスの利用が便利ですよ。事前に費用がわかり請求書が発行されるので、会社間の取引となります。貸切バスというと大きな観光バスのイメージがありますが、ハイエースのようなバンも「ミニバス」という種類でチャーターすることができますので、10人以下の少人数でもお使いいただけますよ。

ケース2:社員旅行で貸切バスや新幹線を利用した場合

社員旅行での団体移動

社員旅行で大型バスを借りて旅行した場合は、社員に対する労をねぎらう”慰安”が目的となるので、勘定科目は宿泊費用などと合わせて「福利厚生費」となります。

社員旅行での移動手段には貸切バスが人気で、バス旅ねっとでも多数実績があります。バス1台でチャーター費用を計算する貸切バスは、参加者の人数が多少上限しても費用は変わりませんし、新幹線チケット予約などの手間もありません。マイカーの持ち出しやレンタカーは運転担当に不公平感が出てしまいますし、事故などのリスクも怖いですが、貸切バスは専属のプロドライバーが運転し、万一の場合の保険も含まれています。そんなところが社員旅行に貸切バスが選ばれる理由でしょう。

ケース3:研修のために貸切バスや新幹線を利用した場合

社員旅行のような慰安目的ではなく、移動先で研修を行なうための交通費はどうなるでしょうか?この場合の勘定科目は「研修費」となるケースが多いと考えられますが、内容によっては主な目的が変わるでしょう。例えばセミナーや勉強会への出席は「研修費」、カンファレンスや見本市へのであれば出張と同じ「旅費交通費」、交流会や会合など人脈構築が目的であれば「接待交際費」といった具合です。
また政治家などでよく問題になっているのが、研修や視察と称して個人的な観光旅行に行くというものですね。会社の場合、研修旅行として社員旅行の一貫で研修も行う場合もありますが慰安目的が大きければ「福利厚生費」となるでしょう。業種によっては観光体験そのものが事業へつながる場合もありますので「研究開発費」となるケースもあるかもしれません。このあたりは企業や個人事業主として一定のルールの元で運用されればそれぞれの解釈で判断されるでしょう。

新人研修での団体移動

研修でよくある貸切バス利用のケースは、新人研修などで新入社員を本社から地方の研修施設まで送迎し、合宿のように宿泊研修するような場合です。たくさんの人数を一緒に移動させることができ、移動中もレクリエーションをしたりして親睦を深めることができるのでおすすめですよ。

ケース4:イベント来場者のために送迎バスを用意した場合

自社が開催するイベントに対して来場者を招待するために送迎バスを準備した場合、その目的は”イベント集客”と考えられますので、勘定科目は「広告宣伝費」とすることができるでしょう。

イベント送迎のマイクロバス

バス旅ねっとでは法人企業様の実績が多いので、様々なビジネス用途でご利用いただいています。例えば就活イベントなどで、地方の主要駅複数箇所からイベント会場までの長距離送迎を行なう場合。イベント会場から最寄駅までの近距離をピストン送迎する場合などです。このような場合には依頼者である企業担当者はバスに同乗せず、貸切バス運転手が決められた時刻に集まった乗客を乗せて指定ルートでバスを運行させます。

一定期間貸切バスを使う場合には外装ラッピングを承ることもありますよ。貸切バスは自由な使い方ができますので、イベントの企画段階から是非ご相談ください。イベント成功のために専任担当が様々なご提案をさせていただきます。

細かい手段よりも領収書の基本概念を理解しておこう

というわけで、”交通費の領収書のもらい方”という切り口から、そもそも交通費に領収書が必要であるのかという法的根拠から、どのような場合に領収書が必要になるのかのケース、最後には交通費はどの勘定科目になるかまでを詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
2023年10月から始まるインボイス制度のように法律自体も普遍ではありませんし、解釈の仕方によって細かい答えは1つでないため、領収書を受け取る側・発行する側の対応は一定でないことはおわかりいただけたと思います。重要なのは前提となる考え方です。

この記事のまとめ

  • 領収書は、お金を支払ったタイミングで、支払った場所で発行してもらうもの
  • 支払いと領収書は対なので、基本的に再発行できない
  • ICカードにチャージしただけでは経費にはならない
  • 交通費をどの勘定項目にするかは利用目的によって決まる

これらの基本概念を理解しておけば、利用する交通機関や目的が違っても、その場であたふたせずに済むでしょう。
バス旅ねっとの考え方も同じです。バス旅ねっとは貸切バスを手配するサービスですが、右から左にただバスを用意するのではなく、お客様にとって貸切バス利用を検討した案件の目的はなんであるのか、どうすればお客様の目的は達成されるのかに重点を置いた対応を心がけています。お客様の移動を成功に導くために私達にお手伝いさせてください。
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