貸切バスの利用料金は、レンタカーのように1台いくらという料金表があるわけでも、バスツアーや高速バスのように1名いくらという運賃設定があるわけではありません。貸切バスは実際の運行内容から詳細を計算しなければ料金を算出できないため、まずは見積りを取るところから始まります。そして初めて貸切バスの見積りを確認した方が気になるのは、「バス料金には含まれていません」と記載される様々な項目でしょう。複数のバス会社で相見積りを取ると、内訳も記載方法もバラバラのため比較しにくく、混乱してしまうかもしれません。
そこでこの記事では、貸切バス手配サービスの「バス旅ねっと」が、バス料金に含まれている費用、含まれていない費用について、詳しく解説いたします。バス料金の仕組みと各費用の必要性を理解すれば、どのバス会社やどのサービスを利用するのが自分達に合っているか選びやすくなりますので、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
貸切バス料金計算の仕組み
まずは料金が算出される基本の仕組みについて見てみましょう。大きく分けて2つの側面があります。
法定の貸切バス基準額
1つ目は国土交通省が定める貸切バス基準額です。これは地方運輸局ごとに車種区分別の距離単価と時間単価が設定されており、行程内容に合わせて計算されます。運転手1名が運転可能な時間や距離、拘束時間も決まっているため、長時間・長距離行程になると運転手は2名体制となります。
貸切バス料金はバス会社の車庫から発生するため、同じ行程であってもバス会社の場所によっても料金が変わります。
需要と供給による変動
貸切バスの基準額が決まっているとはいえ、バス会社と運転手の数は有限であるため、需要の高い繁忙期は料金が上がり、需要の少ない閑散期には料金が下がる傾向があります。かつての基準額は上限額と下限額が設定されていましたが、2023年秋より上限額が撤廃され、下限額も値上がりしました。そのため貸切バス料金は、これまでより大きく変動するようになりました。
詳しくは貸切バスの料金案内ページをご覧ください。
バス料金に含まれている費用

貸切バス料金にはバスが運行時するにあたって必ず必要となる費用は最初から含まれており、基本的に前払いとなっています。
具体的には次の4つの費用が含まれています。
バス車両の貸切料金
まずはバス車両1台をチャーターして占有するための、車両貸し切り料金です。バスの種類によって料金区分が分かれており、深夜早朝の走行、特殊車両の利用は割増料金となります。
ドライバーの人件費
貸切バスは車両だけをレンタルして自分たちで運転するということはできないため、運転手1名分の人件費も必ず含まれています。運転手2名体制のツーマン運行となると、費用が加算されます。
ガソリン代
バス車両はほとんどがディーゼルエンジンのため燃料は軽油です。この燃料費もバス料金に含まれています。年々ガソリン代が高騰していますが、レンタカーのように別料金ではありませんのでご安心ください。
バス会社加入の保険
バス会社は強制加入である自賠責保険はもちろん、貸切バス事業者に義務付けされた対人無制限・対物200万円以上の任意保険にも加入していますので、貸切バスの乗車中に起きたトラブルに適応されます。
バス旅ねっとのような受注型企画旅行として手配する貸切バスの場合はさらに、バスの乗降に関わらず国土交通省が定める「特別補償」を無料付帯しており、手厚い補償が受けられる「旅行保険オプション」もあるため安心です。
バス料金に含まれていない費用

運行時に実費で発生する費用については当日変更となる可能性となるため、基本的に当日精算となっており、その手配もバス利用者側が行わなければいけません。
バス旅ねっとのような旅行会社の場合は、バス駐車場やドライバーの宿などを代行手配することが可能で、すべての料金を事前に計算しお見積りすることも可能です。
バス駐車場料金
目的地に到着し貸切バス利用者が観光などで乗車していない時間は、バス車両を専用駐車場に停める必要があります。バス駐車料金は普通車駐車料金の2~3倍で設定されていることが多く、台数が限られているため事前予約制がほとんどです。
ご自身で駐車場を探す際の注意点など、詳しくはこちらの記事をお読みください。
乗務員宿泊料金
遠方への宿泊旅行で貸切バスを利用する場合、運転手も現地で宿泊することになるため、バス駐車場とドライバー宿はバス利用者の負担で準備しなければいけません。ツーマン運行の場合やバスガイドを使っている場合は、人数分の宿が必要です。翌日の安全な運行のため、乗務員宿の条件は1泊2食付きの個室であることが定められています。
またホテルのチェックイン・チェックアウト時間と貸切バスの到着・出発時間に差がある場合は、アーリーチェックイン・レイトチェックアウトなどで滞在時間を伸ばすことが必要です。難しい場合はバスが稼働している利用時間として換算されます。
乗務員仮眠料金
運転手1名の1日の休息時間は11時間(最低9時間)と定めらているため、運行終了から次の運行までに十分な休息が得られない場合、拘束時間の合間に現地で仮眠を取ることが義務付けられています。例えば下記のような行程の場合、現地到着から出発までの間に宿泊時同様にホテルなどの個室手配が必要です。
6:00東京発~9:00スキー場着…<仮眠施設>…18:00スキー場発~21:00東京着
有料道路料金、高速道路料金
貸切バスは、バス車種の料金区分と、有料道路の料金区分が異なりますのでご注意ください。利用車両の区分に従って高速料金が発生します。
基本的には現金精算となりますが、ETCの持ち込みも可能です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
回送料金を解説
貸切バスで「回送」というと、お客様を乗せずに走行すること全般を指しますが、見積り時に記載される「回送料金・回送代」は、特定の費用を指しています。
回送料金とは、片道利用で目的地からお客様を乗せずに車庫に戻る際や、現地滞在期間が長いので一旦バスを車庫に戻す際に発生する、高速料金の実費のことを指します。車庫に戻るまでの時間と距離はバス料金の中に計算されています。
バス料金の追加費用
貸切バスは利用した時間と距離すべてに費用が発生するため、予定していたスケジュールよりも時間や距離が伸びればその分追加料金が発生します。交通渋滞などお客様都合でない延長は追加料金は発生しませんのでご安心ください。
ただしバス会社のスケジュール管理はシビアですので、1つの運行の予定が伸びてしまうと、次の運行や運転手の月の労働時間にも影響してしまいます。バス会社の状況によっては延長を受け付けられない場合もありますので、延長の可能性がある場合は予め柔軟な対応ができないか相談しておくことをおすすめいたします。
貸切バス料金内訳のまとめ
貸切バスに関する料金をここまで解説してきましたが、料金計算の仕組みなどはおわかりいただけましたでしょうか?できるだけお得に貸切バスを利用するポイントは繁忙期ではなく閑散期に利用することですので、それも踏まえてグループ旅行の計画を立ててみてくださいね。
貸切バスの料金は長時間、長距離で利用すると高くなりますが、公共交通機関と比べると1人あたりの費用はかなり抑えられるので、別の移動手段と組み合わせて乗り換えするよりは、ドアtoドアで貸切バスをお使いいただいた方が、結果的には低コストになる場合が多いです。
どのような行程を組めばスムーズかつ低コストであるかは、貸切バス手配のプロ「バス旅ねっと」にお任せください。お見積りフォームより旅のプランをお送りいただければ、担当スタッフよりお客様に最適なプランをご案内させていただきます。